中国が、福島第一原発の処理水放出計画に関するIAEAの報告を批判
中国が、福島第一原発の処理水の海洋放出という日本政府の計画に反対を表明するとともに、この問題に関するIAEA・国際原子力機関の最終報告書を不公平で偏ったものだとしました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災および大津波により、福島第一原発の3基の原子炉の冷却システムが損傷し、高濃度の放射能を帯びた冷却水がこれらの建物の地下に漏れ出しました。
これらの水は収集・浄化されてタンクに保管されています。
日本政府と東京電力は、福島第一原発で保管する処理水を放出してタンクを解体し、新たに必要となる施設の敷地を確保し、別の事故が発生した際の漏洩の危険を最小限にすると主張しています。
日本政府のこの決定は、同国とその近隣諸国に広範な懸念と抗議を引き起こしました。
この決定に反対する人々は、放射性物質で汚染された水の放出による環境への悪影響を懸念しています。
イルナー通信によりますと、中国外務省の毛寧報道官は28日水曜の定例記者会見で、同国として福島第一原発の処理水放出に反対するとともに、「この問題におけるIAEAの姿勢について、国際社会の懸念は非常に高まっている」と語りました。
この報道によりますと、日本政府は処理水放出へのIAEA関係者の同意を取り付けるべく、IAEAに100万ユーロを支援したということです。
毛報道官はまた、処理水の海洋放出が国際社会共通の利益に及ぼす悪影響に言及し、この点で日本の政府当局者と外務省は責任を負うべきだと強調しました。
さらに、「中国は日本に対し、この点に関する国内外からの懸念を真摯に受け止め、汚染水の海洋放出計画の継続を控え、放射能汚染水を科学に基づいた安全な方法により、IAEAの厳格な監督の下で透明性を持って保管するよう要請する」としています。
加えて、「中国政府は、IAEAの作業部会が文書化された公正な方法で専門家の意見に基づいて行動すること、世界および国内の懸念を重く受け止め、放射能汚染水の海洋放出計画を承認しないよう求める」としました。
これに関して、NHKは27日、複数のメディアが福島原発を取材した際、同原発から処理後に海洋に放出される予定の水は依然としてトリチウムに汚染されていると報じました。
地域諸国、特に韓国の人々は、日本の決定と、この危険な決定に対する韓国の政治家たちの沈黙に反対し、繰り返しデモを実施してきました。
韓国国民の多くは、日韓関係改善を望む米国と自国の当局者は米国政府の言いなりで、処理水の海洋放出の危険性に対して沈黙を決め込んでいると考えています。
こうした中、日本国内でも、原発に反対する活動家らがデモの実施により、日本政府の計画に対する反対を繰り返し表明しています。
オーストラリアやマーシャル諸島など太平洋上の島嶼国12カ国はこれまでに日本政府に対し、処理水の放出を遅らせるよう要請していました。
中でも、南太平洋諸国は数十年にわたり、マーシャル諸島における米国の核実験の影響に苦しんできました。
なお、福島原発事故は、1986年のチェルノブイリ原発事故に次ぐ世界最悪の原発事故とされています。