アゼルバイジャンがアルメニアとの係争地で軍事行動、死者25人
旧ソ連構成国のアゼルバイジャンが現地時間の19日火曜、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ地域で軍事行動を開始しました。
ロイター通信によりますと、アゼルバイジャン側は、憲法秩序を回復しアルメニア軍を撤退させるために必要な措置としています。
一方で、この行動により不安定なこの地域で新たな紛争が勃発する恐れが生じています。
アゼルバイジャン国防省は作戦を発表する声明で「アルメニア軍の武装を解除し、アゼルバイジャンの領土から撤退させ、軍事インフラを無力化する」と表明しました。
また、アゼルバイジャンの憲法秩序を回復するための措置の一環として、「高精度兵器」を使用した合法的な軍事目標のみを標的とし、民間人は標的にしていないとしました。
同省はさらに、アゼルバイジャン軍はこれまでに60を超える軍事拠点を制圧し、最大20台の軍用車両などを破壊したと表明しています。
ナゴルノカラバフ地域の分離主義当局によると、アゼルバイジャンの軍事行動により民間人2人を含む25人が死亡、138人が負傷したとされています。
ナゴルノカラバフ地域は、アゼルバイジャン領内にあるもののアルメニア系住民が多数を占めています。
この両国は、2020年にも紛争を起こしています。
この時の停戦を仲介したロシアは両国に対し、戦闘を停止するよう呼びかけています。
ロシア大統領府のペスコフ報道官はこの日の記者会見で、「ロシアは両国と連絡を取り合っており、紛争解決に向け交渉を促している。今回のエスカレーションを懸念しており、市民の安全確保が最重要課題と見なしている」と述べました。
なお、イランもアゼルバイジャンおよびアルメニアの近隣国として、常に両国に働きかけ、この問題の平和的な解決を求めています。