アルメニア系住民の大半、ナゴルノカラバフから避難
10月 01, 2023 13:54 Asia/Tokyo
アゼルバイジャン領内に位置するナゴルノカラバフ地域から、大半のアルメニア系住民が避難しました。
フランス通信によりますと、アルメニア政府は去る9月30日、隣国アゼルバイジャンとの係争地・ナゴルノカラバフ地域のアルメニア系住民について、推定人口12万人のうち10万437人が避難したと発表しました。
アゼルバイジャン政府が先月、ナゴルノカラバフで「対テロ作戦」の実施により主権回復を宣言したことから、この地域を逃れてアルメニアへと向かう避難民が多数発生しました。
人口約280万人のアルメニアは流入する避難民への対応に追われており、当局は臨時の宿泊施設に3万5000人が滞在していると発表しました。
アルメニア政府は、アゼルバイジャンがナゴルノカラバフからアルメニア系住民を排除する「民族浄化」を行っていると非難しています。
しかし、アゼルバイジャン側はこの主張を否定するとともに、領内のアルメニア系住民に対し、現地にとどまりアゼルバイジャンへの「再統合」を呼び掛けました。
これを受け、国連は今週末、人道的ニーズを把握する目的でナゴルノカラバフに使節団を派遣するとしています。
国連が同地に立ち入るのは、約30年ぶりとなります。
ナゴルノカラバフ地域は、アゼルバイジャン領内にありながらアルメニア系住民が大半を占め、同系勢力が長年にわたり実効支配してきました。
なお、アゼルバイジャンおよびアルメニアの両国と陸の国境を有するイランは、かねてから両国に対し、自制とこの領土問題の平和的解決を呼び掛けてきました。