韓国の外交・安保専門家を標的としたサイバー攻撃 北朝鮮関与か
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サイバー攻撃
韓米が定例の合同軍事演習を実施する中、韓国の統一・外交・安全保障分野の専門家を狙ったサイバー攻撃が頻発しており、同国は北朝鮮との関わりが疑われるハッカー集団が仕掛けていると見ています。
韓国のヨンハプ通信によりますと、韓国の情報セキュリティー会社・イストセキュリティーは、攻撃者は韓国の統一・外交・安全保障分野の専門家を対象に、メディアや政策シンクタンク、学界関係者を装って論文や寄稿を依頼したり、セミナーへの出席を促す電子メールを送ったりしていると明らかにしました。セミナー参加の申込書や謝礼支払いの依頼書、個人情報利用同意書などの文書にマルウェア(悪意のあるソフト)を仕込んでいるということです。
原稿の依頼書では、実在する韓国のメディアの名前を使って「北の核の抑止に向けバイデン政権が取り得る外交的な措置」や「韓米合同演習に対するバイデン政権の見解」などを尋ねています。
韓国では8日に韓米両軍による合同演習が始まり、安保・外交分野の関係者が関心を向けています。こうした状況に乗じ、ハッカー集団が特定の個人や組織をターゲットにしたサイバー攻撃、いわゆるスピアフィッシングを盛んに仕掛けているとみられています。ハッカー集団は電子メールへの返信を求め、返信があった場合は積極的に対応するなどして信頼を得ようとしていました。
今回のハッカー攻撃は、北朝鮮の関与が推定されるハッカー集団「タリウム」によるものとみられています。
セキュリティー業界の関係者は「北は近ごろ、物理的な武力挑発より、費用対効果の高いサイバー攻撃のほうを好むようにみえる」と話しました。
イストセキュリティー側は「タリウムのサイバー攻撃が次第に増大している」と指摘し、官民の格別な注意と関心を促しました。
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