キム北朝鮮総書記が極超音速ミサイル試射に立会い 自国の軍事力増加を強調
北朝鮮国営のKCNA朝鮮中央通信が12日、同国がキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記の立ち会いの下、極超音速ミサイルの発射実験を11日に行い、成功したと伝えました。
ロイター通信によりますと、金正恩氏がミサイル発射を公式に視察したのは2020年3月以来となります。
北朝鮮は11日、弾道ミサイルの可能性がある飛翔体を発射しました。今月5日に続いて今年2回目で、日韓で探知されました。
KCNAによれば、金総書記は視察後、軍の研究者らに対し「質と量の両面で北朝鮮の戦略的軍事力を絶え間なく増強する取り組みをさらに加速し、軍の近代化を進める」よう求めたとして、「発射実験は、先進超極音速兵器システムの全体的な技術仕様の最終実証を行う狙いがあった」と報じました。
朝鮮労働党機関紙、労働新聞は、金正恩氏の視察の写真を一面に掲載しました。
極超音速滑走体はロケットブースターから発射後に600キロメートルの距離を「滑空跳躍飛行」し、さらに240キロを旋回しながら飛んで1000キロ離れた水域にある標的に命中したということです。
同国は、「最終発射実験により極超音速滑走体の優れた機動能力がはっきりと立証された」としています。
米カーネギー国際平和財団の上級研究員アンキット・パンダ氏はツイッターへの投稿で、「金氏の立ち会いはこの開発計画に特に注目していることを示唆している」と分析しました。
一方、北朝鮮の今回のミサイル実験を受けて、アメリカとその同盟国である日本、フランス、イギリス、アイルランド、アルバニア、韓国の6カ国は、北朝鮮政府に対して、安保理非公開会合を前にした情勢不安を煽るような措置は止めるように求めました。
各方面の実験に対する反応は、次のようになっています:
北朝鮮の動向を追うコリアリスクグループのチャッド・オキャロル最高経営責任者は「金氏は恐らくこれまでの他の発射実験に非公式に立ち会ったとみられるが、今回の視察と労働新聞の一面掲載は重要だ」と指摘し、「金氏は新しい重要技術の実験に個人的に関連付けられることを懸念しておらず、米国がどのように捉えるかを気にしていないということだ」と説明しました。
ヌランド米国務次官は11日のブリーフィングで、発射実験は危険で、不安定化を招くと指摘し、米国が北朝鮮との対話に門戸を開いていると表明しているのに対し、北朝鮮はミサイル発射で応じていると主張して不満をあらわにしました。
EUは同日、北朝鮮の今回のミサイル発射は「国際平和と安全保障への脅威」だと批判し、北朝鮮に外交を再開するよう呼び掛けました。
アナリストは11日のミサイル試射について、北朝鮮の国営メディアが報じた写真に基づき、5日の発射と同じタイプのミサイルと弾頭が使用されたようだと分析しています。
韓国参謀本部は11日に、今回のミサイルは最高速度が音速の10倍と分析し、5日の実験で使用されたものよりも性能が改善したミサイルとの見方を示しましたが、機動能力への言及はありませんでした。
北朝鮮は自国のミサイル能力について、米軍の地域における駐留や朝鮮半島での軍事演習実施およびそれによる脅威に対抗するためのものだと、繰り返し述べています。同国は常に、地域からの米軍撤退、そして米軍が地域の同盟国と行う共同軍事演習の停止を求めています。

