イラン外相、「核協議決着に向けた最終的な歩みに出る用意あり」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、「わが国は、核合意をめぐる協議の決着と圧政的な制裁の解除に向け、最終的な歩みを踏み出す用意ができている」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は23日金曜夜、ツイッターで「ジョゼップ・ボレルEU外務安全保障政策上級代表との会談で、核合意決着の最終的な歩みを踏み出すことに関して合意している」と述べました。
その一方で、「わが国との合意の窓は常に開いているわけではない」と付け加えました。
また、ウクライナ問題の政治的解決策を強調し、「アメリカの行った、キューバ・グアンタナモおよびイラク・アブグレイブでの(刑務所内での拘束者拷問という)悲劇、そしてイエメンやアフガニスタンでの女性と子供に対しての犯罪のどちらも、アメリカが他国に訓戒を垂れることを許しはしないだろう」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はこれに先立っても、アメリカ側に対し、偽善もしくは、自国の核合意復帰によって合意成立を求めるかのどちらかを選ばなければならない、と勧告していました。
一方のボレルEU上級代表は、EUのウェブサイトに掲載された記事の中で、「包括的共同行動計画」として知られるイランとの核合意に代わるものはないと強調しながら、オーストリア・ウィーン協議の結果に基づいて核合意を復活させるべく引き続き取り組んでいる、としています。
こうした中、米国のイラン担当特使であるロバート・マレー氏は23日金曜、アメリカ政府運営のラジオ・フリー・ヨーロッパおよびラジオ・リバティー(Radio Free Europe/Radio Liberty)とのインタビューで、「核合意は死んでいない」と語りました。
マレー特使のこうした主張の一方で、アメリカのメディアは数日前、バイデン米大統領が「核合意は終わったが、我が国の政府はそれを宣言するつもりはない」と発言した映像を放送しました。
バイデン大統領は、イランに対する最大限の圧力行使政策がその目標を達成できない状態となっていった2021年に就任しました。この政策は、米国に有利な新たな核合意成立に失敗しただけでなく、大西洋の両側をはさんだ国々の間に分裂を引き起こし、アメリカの外交の主要なツールの1つである制裁の効力を危険に直面させ、さらに何より、イランでの覇権主義排斥の流れに追い討ちをかけることとなりました。
イランは、制裁解除の検証、核合意存続の保証の獲得、IAEA国際原子力機関の保障措置をめぐる主張の撤廃を、制裁解除交渉における主要な要求として提示しており、核合意への復帰は、それがいくつかの制限と引き換えにイラン国民に具体的な経済的利益を与えるような、論理的と見なされる双方向的なものとなった場合にのみ受け入れられる、と強調しています。