イラン・中国首脳会談ー中国国家主席が対イラン関係の重要性を強調
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ライースィー・イラン大統領が習近平中国国家主席と同国・北京で会談し、「イランと中国の敵が両国間の関係強化・拡大に反対しているにもかかわらず、両国の適切に事を運びこの関係は大きな進歩を遂げている」と強調しました。
(last modified 2025-06-25T12:06:53+00:00 )
2月 15, 2023 20:25 Asia/Tokyo
  • ライースィー・イラン大統領と習近平中国国家主席
    ライースィー・イラン大統領と習近平中国国家主席

ライースィー・イラン大統領が習近平中国国家主席と同国・北京で会談し、「イランと中国の敵が両国間の関係強化・拡大に反対しているにもかかわらず、両国の適切に事を運びこの関係は大きな進歩を遂げている」と強調しました。

この点については習国家主席も、「わが国として、対イラン関係の拡大を強く確信している」と述べています。 

両国関係の拡大に向けたイランと中国の決意は、これ以外にも様々な次元から説明できるものです。

まずイランは、天然資源や鉱物、巨大な石油・ガス埋蔵量、大規模な人口を擁することから、地政学的に重要な位置にあり、さらに地域的・国際的な情勢・動向や政策に対して否定できない影響力を有しています。そのため、米国が包括的な圧力を行使し、最近もイランに対する最大の圧力キャンペーン開始して同国の石油輸出を完全に封じ込めようとしたにもかかわらず、中国は常に、イランとの間で経済、貿易、エネルギー面の関係を続けていくと強調してきました。このような背景から、イランの中国向け石油輸出は続いており、中国はこの点に関するアメリカの脅迫を無視しています。

イランは、経済、通商、産業、エネルギー、建設、農業および先端技術という各面から見て、大きな潜在力を秘めています。さらに西アジアのほかのいずれの国も、教育を受けた専門的知識を持つ人口、領土の広さ、学問・産業・エネルギーなどのインフラの存在に関して、イランに匹敵する能力を持っていません。

習国家主席は、中国政府が対イラン投資を希望する自国企業への支援の用意があると表明し「わが国の政府はさらに、対イラン貿易、輸送、文化関係の分野での協力発展に向けた準備を整えている」と述べています。

イランはさらにペルシャ湾の地政学的戦略地域で優位な位置にあり、世界のエネルギー供給においてこの地域が重要であることからも、中国を含めたいかなる大国も、イランを無視することはできません。実際、イランが近年に中国やロシアと共同で海軍演習を行っていることは、中国の高官がイランの重要性を理解していることの象徴と言えます。このような流れの中で、習近平国家主席はイランの領土保全を支持する一方で、一極主義や地域外の国の干渉、および地域・世界の安全と安定に対する脅威に立ち向かう必要性を強調しています。 

中国にとってイランの重要性を倍増させているもう1つの点は、米国主導の西側諸国の国際的覇権・支配への対抗において、イランと中国が共通の立場を有していることです。この両国は、国際体制の変更および、多極主義にのっとった体制を形成する必要性を強調するとともに、一極主義および、アメリカを中心とした西側の価値観や規範を押し付けるる行動がなくなるべきだと考えています。

ここで忘れてならないのは、中国とロシアに対するアメリカの最大の批判点の 1 つに、西アジアとユーラシアに位置するこの 2 つの国がリベラル主義の国際秩序を変えようとしている点が挙げられることです。習国家主席は、国際舞台における西側諸国の一方的なやり方や専制的行動を批判するとともに、「残念ながら、これらの国々は冷戦時代の間違ったアプローチを主張し続けており、これが国際規範と世界の平和・安全保障に損害を与えている」と語っています。

また別の点は、一方的な制裁行使という分野でイランや中国などの制裁対象国に多くの損害を与えてきた米国率いる西側諸国の政策と行動に立ち向かう際の、両国の協調的な立場です。さらにイランと中国は、テロとの戦いの分野でも共通の立場にあり、加えて両国がSCO上海協力機構の加盟同士となることから、政治、経済、通商、安全保障のさまざまな側面での関係発展に向けた新たな機会が生まれています。

対イラン核合意復活協議における4+1グループの一員である中国は、この合意の復活条件として、米国の一方的な対イラン制裁を解除する必要があるという立場を共有しており、この問題をめぐるウィーン協議の現在の膠着状態をめぐり、アメリカを繰り返し非難してきました。習近平国家主席はその点からも、テロとの闘いにおけるイランの立場と行動を評価し、紛争解決のための多極主義の成果の1つとされる、対イラン核合意の可及的速やかな実施の必要性を強調しているのです。

 


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