イラン外相、「国連人権理事会は西側の道具と化す」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相がスイス・ジュネーブでの国連人権理事会会合において、「人権理事会は西側の諸大国に握られ、自らの本来の使命からかけ離れた政治的道具と成り下がっている」と強調しました。
国際通信イランプレスによりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は27日月曜、ジュネーブでの国連人権理事会会合で演説し、「いかなる国や団体・組織も、人権擁護の権利を独占的に有していると考えるべきではない。また、自分勝手な解釈による人権を受け入れさせようと、他国に迫るべきではない」と述べています。
また、「アメリカの一方的かつ強制的な(制裁)行為に追従したヨーロッパ諸国やその他の国々は、イラン国内の人権状況について語る資格や倫理的正当性など持たない」としました。
そして、「(制裁により)イラン人から健康、教育、生存といった基本的権利を奪っている一方で、そのイラン人について”彼らの人権を擁護している”と語るさまは、まさに偽善そのものである」と指摘しました。
さらに、クルド系イラン人女性マフサー・アミーニーさんの痛ましい死を受けてイラン国内で開催された平和的な集会に触れ、「これらの平和的な集会は、テロ因子の関与により暴力的なものと化した。米国や英国に拠点を置く複数のペルシャ語テレビチャンネルも、ニュース報道を装った番組において、イラン国内での暴力やテロが拡散されるよう教唆していた」と述べました。
続けて、現代の最重要課題の1つとして挙げられるのは、世界各地においてテロ・過激派組織が出現・台頭していることだとし、「複数の西側諸国における最近の聖コーランの冒涜、また、罪なきイラン人女性や子供を含む13人の命を奪ったイラン南部シャーチェラーグ聖廟でのテロのような事件は、これに関連した例と言える」としています。
一方、「イランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊の故ソレイマーニー司令官によるテロ組織ISISを相手にした聖なる戦い、および同司令官の殉教は、決して人々の記憶から消えない」とし、「わが国は、ソレイマーニー司令官を殉教に至らしめたテロの実行犯と首謀者を正義の手にゆだねるために、あらゆる努力を惜しまないだろう」と強調しました。
最後に、パレスチナ人への人権侵害にも言及し、「シオニスト政権イスラエルによる組織的な人権侵害および人道に反する犯罪行為は、止められる必要がある。パレスチナが同政権の占領下に置かれ、(そこでの)イスラエルの犯罪が続いている限り、国連の人権メカニズムが信頼に足ると考えるのは、困難なことだ」と結びました。