6月 10, 2023 18:18 Asia/Tokyo
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イランと米が暫定合意成立に近づきつつあるとした一部のニュース報道を受け、国連にあるイラン政府代表部が「どのような暫定合意も核合意の代替にはなりえない」と表明しました。

イルナー通信によりますと、米ニューヨーク国連本部にあるイラン政府代表部は、現地時間の今月8日、「核合意に代わる暫定合意は一切存在せず、そのような合意は念頭にも置いていない」と表明しました。

これに先立ち、英ロンドンに拠点を置く西アジア・北アフリカ関連のニュースサイト「ミドルイースト・アイ」は、匿名の2つの情報筋の話に基づき、「イランとアメリカは、イラン国内でのウラン濃縮制限に対して課された制裁の一部解除に向け、あと少しで暫定合意を結ぶところまできている」と主張していました。

一方、米国家安全保障会議の報道官は現地時間の今月8日、ミドルイースト・アイの記事に反応し、報道各社に対して「この報道の内容は正しくなく、誤解を招くものである。イランとの暫定合意に関する報道はいずれも事実でない」としました。

バイデン現米民主党政権は2021年の発足後、イランと5+1カ国グループの結んだ核合意から米国を離脱させたことについてトランプ前政権の一方的な行動を非難しましたが、依然としてトランプ前政権による最大限の圧力行使政策を続けているほか、イランに対し追加制裁も行使しています。

この一方でイランは、アメリカ側が現実的な行動をとれば、合意成立の可能性があると強調しています。

制裁解除をめざす核協議は、昨年8月にオーストリア・ウィーンで開催されたラウンドを最後に、それ以降は中断されています。アナリストは、バイデン米現政権が過去数か月にわたって核合意復帰に二の足を踏んでいる理由に、シオニスト政権イスラエルからの圧力、議会との意見の不一致、米国内の問題などの、いくつかの要因を挙げています。また西側諸国は、この数か月間にメディア・プロパガンダ戦争を開始し、国益を主張するイランの抵抗を打破しようとしてきました。

イランは、制裁解除交渉における主要な要求事項として、制裁解除の検証確認、核合意の存続に関する保証、IAEA原子力機関の保障措置関連の主張取り下げを提示してきました。そして、いくつかの制限の見返りとしてイラン国民が実際の経済的利益を感じられるような、双方向的協定に戻ることこそが合理的であるという考えを明らかにし、そのようなものであれば受諾すると強調しました。

イランは、自国の核開発計画はあくまでも平和目的であり、核兵器製造の意図や計画はないと繰り返し表明しています。また、イランはNPT核兵器不拡散条約の加盟国であり、IAEA査察官も定期的にイランの核施設を視察し、イランの受け入れ頻度は他のいずれの国より多くなっています。

 


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