神への称賛を歌った曲「マレカー(主よ)」
May 13, 2024 14:33 Asia/Tokyo
11世紀のイランの詩人、サナーイー・ガズナヴィーの詩を歌詞にした曲「マレカー(主よ)」は、神への称賛と服従を現代風のポップ音楽で表現しています。
この曲は、イランの歌手モフセン・チャーヴォシーさんが作詞・作曲・歌唱を担当しています。
歌詞は、11世紀のイランの詩人であるサナーイー・ガズナヴィーの詩がそのまま取り入れられており、当時の詩人の神に対する認識の深さを示すものとなっています。
13世紀のイラン詩人・モウラーナー(ルーミー)は、サナーイーのことを自身の師と仰いでいます。
この曲の詞、すなわちサナーイーの詩は、神への称賛であふれています。
詩の中でサナーイーは、神を表す形容として「清浄」「威厳」「唯一性」「慈悲」「公正」「全能」といった言葉を並べています。
そして、そのような完全無欠の存在である神に対して服従を誓うのです。
この詩の内容の大半は、コーランやハディースの内容に由来します。例えば、詩の中の「あなたには配偶者はいない」という一節は、神の唯一性について語ったコーランの「純正(アル・イフラース)」章と重なります。
西側諸国の音楽産業が、ただ利益だけのためにとるに足らない作品を量産し続ける中、「マレカー」のような歴史あるイラン・イスラム文化に着目し、精神的価値を広める作品が生まれたことは称賛すべきことと言えます。