イスラムにノー、シオニズムにイエス:モスクを閉鎖に追い込んだドイツの現状
(last modified Thu, 08 Aug 2024 05:57:06 GMT )
8月 08, 2024 14:57 Asia/Tokyo
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    イスラムにノー、シオニズムにイエス:モスクを閉鎖に追い込んだドイツの現状

イランのイスラム文化コミュニケーション機構のモハンマド・メフディ・イーマーニープール代表は、ドイツ政府が同国ハンブルクにあるイスラムセンターを閉鎖させたことについて、「ドイツがシオニスト政権イスラエルによる偽りの世論操作の影響を受けていることの表れだ」としました。

【ParsToday国際】イーマーニープール長官はメフル通信への寄稿の中で、在ハンブルク・イスラムセンターへのドイツ治安部隊の侵入・閉鎖について分析しました。同長官はこの行動をドイツというヨーロッパの国における人権および言論の自由、市民権の侵害の実例を暴露する点だとし、次のように述べています。

 

ハンブルクのイスラムセンターとその活動内容に関して、ドイツのメディアや公的機関が歪曲した誤った言説を展開しても、真実を求める世論の意識をそらすことはできない。この点に関しては、考慮すべきいくつかの点が存在する。

 

宗教的協調の象徴としてのイスラムセンター

最初の点は、ハンブルクのイスラム・センターの誇り高き歴史とドイツにおけるその位置づけに起因する。このセンターは、ハンブルクの信仰心あふれる人々や宗教信仰を持つグループの要請により設立され、70年以上にわたって、他の啓示宗教との平和共存や交流により、効果的で恵まれた形で存続してきた。そのことは、多くの宗教学者らもこの施設をドイツにおける宗教対話と宗教融合の重要な中心地の一つとして認めているとおりだ。ハンブルク・イスラムセンターの建設的な活動を振り返ってみれば、この主張が真実であることがわかる。このような状況において、最近の恥も外聞もわきまえない一連の行動は、精神性と宗教にそった生活を求める人々のための宗教的協調および、学術的で建設的な議論に対する公然たる反対の一例といえる。

 

ドイツ連立政権とシオニストのシナリオ

第2の点は、現在のドイツ連立政権のアプローチに起因するものだ。以前、在ハンブルク・イスラムセンターに対して事実に反する主張が提起され、この施設を閉鎖する下地が作られた。現在の連立政権は、シオニストロビー団体とイスラエルの治安機関によるシナリオを推進している。したがって、我々は出来事の現実とそれに関する誤った主張を賢明に区別する必要がある。ドイツ公的機関や当局者は、ハンブルク・イスラムセンターの閉鎖を法的および内部プロセスの結果とみなそうとしているが、そのような主張は世論の視線を現実から外させ、ミスリードすることの一例に他ならない。

現時点での捏造的な世論操作は、イスラエルの傲慢な様相がこれまで以上に国際世論に現れている状況において、機会を作り、イスラエルという子供殺し政権からの圧力回避を狙った措置といえる。

 

イスラエルにおける政治的駆け引きがドイツにもたらす代償

第3の点は、強奪政権イスラエルの占領地でドイツの政党が活動することが、ドイツにとって常に高くつくものだったということだ。こうした代償は以前よりも高くなると思われる。ガザでの虐殺からパレスチナ人を守るために広範かつ熱心に行われたドイツ国民の蜂起は、現代ドイツの外交政策史における転換点と考えられている。ここでドイツ当局は、自らをシオニストロビー活動から乖離させる最良の機会を失っただけでなく、イスラエルでの活動継続により、ドイツ国民との溝を深めた格好となっている。

 

在ハンブルク・イスラムセンター閉鎖の影響

4番目の点は、在ハンブルク・イスラムセンターの閉鎖に関してドイツ政府が下した決定がもたらした影響だ。イスラムセンターが閉鎖された7月24日を、我々は「黒い水曜日」と呼ぶ。それは、一機関やセンターという枠組みを超えて、表現の自由が数十億人もの人々の前で抹殺されたからだ。世界中の人々をこれまで以上に懸念させているのは、そのような行動が正当化され、世界中のどこでも、どんな口実のもとでも繰り返される可能性があるということだ。

ドイツの決定に反発しているのは、イランとイスラム革命の理念だけだと考える人もいるかもしれない。しかし、そのような考えは誤りだ。在ハンブルク・イスラムセンターの閉鎖は、21世紀における表現の自由や人権さらには、啓示宗教の信者による建設的な対話の原則に反する行為とみなされている。もし、こうした行動を前に沈黙を決め込み、あるいは一部の宗教学者がこれを単純な問題かつ、限られた意思決定だと考えようとするなら、それは非常に大きな過ちとなるだろう。

西側世界における反宗教主義は、宗教の聖典の焼却、生来の価値観の抹殺、家族制度への攻撃、不自然な享楽主義や虚無主義の強化などさまざまな形で現れており、これらの事例に対抗する試みはすべて、西側により非難されてきた。そのため、自制や人間本来の価値観の保護を人類に促すすべての宗教や文明は、欧州の隠れた権力機構にとってブラックリストとなっている。しかし、こうした動きは複数の宗教や宗派の協調によって終結させる必要があり、またこれは確実に、在ハンブルク・イスラムセンターの閉鎖に対抗し世界の宗教指導者らが要求を提起する最も客観的な方法の一つとなると思われる。

 


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