イラン・イスラム文化指導相;「我が国とロシアの関係は多極化世界への道を開く」
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イラン・イスラム文化指導相;「我が国とロシアの関係は多極化世界への道を開く」
イランのサーレヒー・イスラム文化指導相が「我が国とロシア、そして共通のアプローチを持つ他の諸国との関係は、真の多極化世界の基盤となり得る。それは政治や経済だけに依拠したものではなく、諸国民に共通する文化、価値観、遺産に基づいた世界となるだろう」と語りました。
ロシア文化相の招待を受け、第11回国際文化統合・文化関係発展フォーラムに参加するため、ロシア・サンクトペテルブルクを訪問したサーレヒー大臣は、301年の歴史を持つ学術拠点・サンクトペテルブルク大学を訪問し、同大学理事会のメンバーらと二国間の学術・文化関係の発展を目指す戦略について協議しました。
【ParsToday国際】イルナー通信によりますと、サーレヒー大臣は「多極化の概念は政治や軍国主義の領域に限定されるものではなく、そもそも文化的なものであるべきだ」とし、「発展が単に経済的なものと捉えられるならば、結果として一極政治体制が優勢になるだろう」と語っています。
また「イランとロシアは単なる近隣国ではなく、互いに対話する相手かつ仲間でもあり、両国間の文化・学術面での関係の歴史は数世紀前に遡る」としました。
さらに、テヘラン国際ブックフェアでロシアの作家トルストイの作品が人気を博していることに言及し、「イランとロシアの文学的つながりは根深いものがある。実際、抒情詩人ハーフェズ、サアディー、英雄叙事詩人フェルドウスィーなどイランの詩人の詩はロシアで関心を集めている。その一方で、プーシキンやトルストイなどのロシア作家もペルシャ文学の影響を受けており、ドストエフスキーやチェーホフなどロシアの大文豪の作品はイランで特別な位置を占めている」と強調しています。
そして「イランでは少なくとも1日に1つはロシアの演劇が上演されており、ロシアのクラシック音楽にも多くのファンがいる」と述べ、「ロシア映画はイランの人々にとって魅力的であり、文化交流において重要な役割を果たしてきた」と付け加えました。
この他にも、ロシアのイラン学を相互理解の絶好の機会だとし、「この分野ではロシアの研究者によって1万件以上の学術論文が発表されており、これらの研究が両国間の文化関係の主軸となるべきだ」と述べました。
サーレヒー大臣は最後に、イランとロシアの共通の遺産を保存する必要性を強調し、サンクトペテルブルクとイラン中部イスファハーンが姉妹都市関係にあることを想起し、「将来の世代のため、両国間の文化関係における強い友情と連帯の樹が形成される必要がある」と結んでいます。