2月 09, 2016 20:47 Asia/Tokyo
  • 最高指導者のギリシャ首相との会談での表明

アミーンザーデ解説員 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、ギリシャのチプラス首相との会談で、アメリカのダブルスタンダードを批判し、テロは、拡散する非常に危険な病であるが、もし全ての国が真剣な対策を取れば抑制できるものだとしました。 ハーメネイー師はさらに、「だが残念ながら、一部の国が直接、あるいは間接的にテロリズムを支援している」と述べました。ハーメネイー師は、8日月曜夕方に行われたこの会談で、ヨーロッパ諸国の異なる利益や見解についてのチプラス首相の表明に触れ、「ヨーロッパは、これまでとは異なり、アメリカに対して独立した意志を有していないと批判されている。この弱点を改めるべきだ」と強調しました。

ハーメネイー師の表明は、地域や世界に影を落としている懸念すべき状況を指摘したものです。このような状況は、テロとの戦いを主張する西側諸国が、真剣なテロ対策の意志を持っていないために生まれたものです。西側諸国にとって、自分たちの干渉的な政策を推進し、利益を確保するためには、テロ対策を行うよりも、地域や世界を危機に巻き込んだ方が都合がよいのです。こうした中、一部のヨーロッパ諸国は、多少遅れた形ではあるものの、このようなダブルスタンダードによって利益が損なわれることに気づいています。

ヨーロッパは実際、2つの流れの間に立たされています。つまり、ヨーロッパ諸国は、テロ、暴力、過激派といった脅威を感じ、それを懸念する一方で、アメリカへの経済的な依存や一部の政治的な考慮のために、事実を見過ごさざるを得なくなっています。しかし、暴力や過激派は、西側社会における暴力的な文化によって生まれたものです。現在、西側社会で育った多くの若者が、テロ組織ISISに加わり、さまざまな動機によって暴力に手を染めています。それにも拘わらず、西側諸国は、中東とイスラム世界のみを暴力や過激派の奨励者として紹介しており、このようなアプローチは事実に反するものです。このように西側が事実を否定する限り、暴力やテロが終わることはないでしょう。

“一部のヨーロッパ諸国は、アメリカに対して独立した意志を持っておらず、この弱点を改めるべきだ”という最高指導者の批判は、このことを示しています。実際、テロの根源は、西側、特にアメリカのダブルスタンダードや矛盾した政策の中に探るべきでしょう。EUはこれまで、テロや過激派によって深刻な損害をこうむってきました。しかし、こうした損害は、イラク、シリア、アフガニスタン、その他の多くの国々が蒙ってきた損害とは比べるべくもありません。西側諸国は現在、暴力の終結に向けた効果的な措置も講じずに、難民の流入を懸念しています。そして、自らがテロリズムの一部であり、地域に過激なタクフィール主義思想を広め、テロリストに武器や資金を供与しているサウジアラビアのような国との見せかけの連合の結成は、世論を欺く以外のものではありません。ヨーロッパは、このような矛盾した政策に追従せざるを得ないのでしょうか?それとも、このような弱点の克服を考えるべきなのでしょうか。ギリシャ首相との会談における最高指導者の表明は、実際、このような事実を思い起こさせるものとなっています。

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