一日一冊、本の紹介(18)
イスファハーン・イスラム自由大学のレイラ・パフラヴァーンザーデ教授による最新の研究成果、『イラン建築文化の至宝』が出版されました。
著者であるパフラヴァーンザーデ教授は、これ以前に、イスファハーンの歴史的な学校や公衆浴場に関する本を記していました。
この8巻本は、2014年2月のイランの年間図書賞の建築部門で入賞しており、そのうち7巻はイスファハーン州やヤズド州の建築作品について記され、また8巻目では、イランや世界の修復された建造物について記されています。
パフラヴァーンザーデ教授は歴史的建造物の修復学の博士号を取得しており、この著作の執筆に10年間をかけ、イランの建築における芸術性と技術の融合に関して研究を行ってきました。この著作には、次のようにあります。
「19世紀のガージャール朝と20世紀のパフラヴィー朝以降、イランの都市計画と建築は変化に直面した。新たに出現した要素として、工場があるが、これはガージャール朝にその基本的な計画は存在していたものの、国内外の妨害により、その設立はパフラヴィー朝期に持ち越された。こうした中、一部の都市では、産業的建造物が建てられ、これらにイランの歴史的な規範は存在していなかった。しかし一方で、様々な形式による最も美しい産業的建造物が作られた。これらにおいては、イランとヨーロッパの伝統的、近代的な形式が融合されていた。イスファハーンにおいては、ドイツのマックス・シューネマンといった建築家や、新たな資材、モデルや技術などを利用していたが、すべての建造物はイランの伝統的な建築家の手にゆだねられていた」
イランの建築家はこれらの工場を作る中で、初めてスチール材やセメントなどの新たな建築資材に直面しましたが、空間を作り出し、レンガを使用する中で、その熟練度を示しました。これらの建造物は、装飾などをはじめ、全体的な構造の点でイランの優れた建築家の影響を受けたのです。
この著作は、イスファハーンのイスラム自由大学により出版されました。