イラン国家安全保障最高評議会書記、シリアの政府高官と会談
イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記が、シリア高官と同国のダマスカスで会談する中で、シリア危機の解決に関して意見交換を行いました。
シリア、ロシアとの安全保障と政策の調整役をつとめるシャムハーニー書記は、8日日曜、シリアのアサド大統領とダマスカスで会談し、「シリア危機の解決に向けた政治的な協議は、シリア人同士で、かつ彼らが運営する形で行われるべきであり、国連やシリア危機の解決に影響を及ぼす国々は、これを円滑に行う役割のみを果たすべきだ」と語りました。
シャムハーニー書記はまた、イランは真剣にシリアの戦争を終わらせる政治的プロセスを支援しているとしました。
さらに、政治的協議によって、ダマスカスを統一シリアの首都とする努力が必要だとして、「シリアにおける過ちを認める勇気がなく、その誤った行動を続けることを強調する国は、確実に、取り返しのつかない問題や損害に直面することになる」と語りました。
アサド大統領もこの会談で、シリア政府のテロ対策の成功における、イランの絶え間ない効果ある貢献に感謝するとともにイランとロシア、シリアとの協力の継続は、シリアの政治プロセスにおいて、優先されるべきものだとしました。
アサド大統領はまた、シリアの停戦と政治的協議は、ISISやファトフシャーム戦線などのテロ組織との戦いが続く中で、妨害されるべきではないとして、テロ組織の支援者に対して、「テロに国境は存在せず、もしそれが勃発すれば、それをあおったものもテロの被害からは逃れられない」と警告を発しました。
8日日曜、シリアの政府高官との会談のためにシリアを訪問したシャムハーニー書記は、訪問の初日に、シリア国家安全保障局の局長と会談を行い、この中で、「シリアの停戦はテロ組織が力を取り戻し、犯罪を続ける機会となるべきではない」と強調しました。
また、8日、ダマスカス入りした際、シリア北部・アレッポの解放は転換点だとして、「シリアの人々の抵抗は、テロや不安定の拡大という手段が、一国の国民の抵抗に対して勝利できないということを示した」と語りました。