イラン北部で、雪による穴埋めの伝統儀式が実施(画像)
May 11, 2017 14:50 Asia/Tokyo
イラン北部マーザンダラーン州で、600年以上の伝統を誇る雪による穴埋めの儀式が実施されました。
この伝統儀式は、雪の穴埋めを意味するヴァラフチャールと呼ばれ、イラン北部マーザンダラーン州で行われています。
この儀式は、毎年その冬の最後の雪が溶ける前、5月中旬にマーザンダラーン州アーモルから85キロ離れたアーブアススク村で実施されるものです。
昔は、人間や家畜が夏に使用する水を確保するため、ダマーヴァンド山の斜面に深い穴を掘り、そこに山に積もった雪を穴に埋め、夏の水不足を解消していました。
毎年恒例のこの儀式は、地元民数千人が参加して盛大に行われ、イラン全国からこの儀式に関心を寄せている人々がアーブアスク村を訪れます。
この儀式の当日は、村の男性らは朝早くから昼食や果物、茶を携えて、村の郊外に出かけ、村の行政を一時的に女性たちに委ねます。
一方、村の女性たちは自分たちの中から1人の女性を選び、その女性に村内の行政事務を暫定的に任せます。
この日はまた、男性の入村が一切禁じられています。もし、男性の一人が入村しようとして女性の警告を無視すれば、村の女性たちに罰として木の棒で激しく叩かれることになります。
村の男性たちは、ヴァラフチャールに到着してから、雪をかぶっている場所に赴き、大きな雪の塊を持ち出し、十分な深さと大きさのある穴の中に入れます。
これらの人々は、雪で穴を埋めたあと、接待され、集団礼拝を行い、思い出多い1日を楽しく過ごした後、村に戻ります。
以下の写真は、IRIB通信によるもので、この興味深い儀式の様子を撮影したものです。