イラン大統領、「イランとイタリアの新たな関係が始まる」
イランのローハーニー大統領が、「イランとイタリアは様々な部門、また新たな技術において、大規模な協力を行うことができる」と語りました。
ローハーニー大統領は25日月曜、イタリアのマッタレッラ大統領とローマで会談し、「イランは現在、投資と新たな技術を入れ、その後輸出入協力を行う完全な用意がある」と述べました。
ローハーニー大統領はさらに、別の表明の中で、地域情勢と中東・北アフリカ地域の現在の情勢不安について触れ、「イランとイタリアはこれまで同様、テロ・暴力・過激派対策など多くの地域問題において、互いに協議し、効果的な協力を行うことができる」と語りました。
ローハーニー大統領はテロを地域最大の問題であり、ヨーロッパをはじめ、世界全体の脅威だとし、「集団の真剣な協力なしにはテロを根絶することはできず、明らかに、もし中東が情勢不安になるなら、そのマイナスの影響はヨーロッパにも波及するだろう」と述べました。
一方のマッタレッラ大統領も、「イタリアはイランとの友好と協力の土台を固め、イランとの恒常的な協力を確立することを決めている」と述べました。
ローハーニー大統領は25日夜、イタリアのレンツィ首相との共同記者会見で、「イランとイタリアの関係における新たな時代が始まった。両国はすべての分野で協力のレベルを向上させることを決めている」と語りました。
一方のレンツィ首相も、ペルシャとローマの二つの文明の長年の関係と文化的共通性を両国民の恒常的な関係の強力な後ろ盾だとし、「イタリアは世界が平和と友好を必要としている中で、イランと共通の見解を有している」と語りました。
レンツィ首相は、イランの核合意の重要性について触れ、「この合意はイランと世界の関係の新たな幕開けとなっただけでなく、地域全体の平和と安定に向けた重要な歩みと見なされる」と述べました。
また、地域の関係におけるイランの突出した地位と役割を強調し、「イランは地域での平和と民主主義の実現において、注目に値する重要な役割を果たすことができる」としました。
イランとイタリアはさらに、両国の協力と関係の拡大に関するロードマップを描くための政治的な共同声明を発表しました。
両国の政府関係者も、イラン大統領とイタリア首相の立会いのもと、14の協力文書に署名しました。
イランとイタリアの高官によって締結された14の文書は、運輸、鉄道、教育、医療、商業、安全、港湾、農業、検疫、医薬品などの分野となっています。
25日に署名された合意書の中で、サイペム社との石油移送パイプライン建設に関する合意は、総額40億から50億ドルと見積もられています。さらにイランは、製鉄プラントメーカー・ダニエリ社と57億ユーロ、またインフラ整備会社と40億ユーロの契約を締結しました。
エニやフィアット・クライスラーなどイタリア企業の幹部も25日、ローハーニー大統領との晩餐会に出席しました。