イメージが語るイラン
イランにある世界で最初の金庫、サルヤズド城砦
イラン中部ヤズド州のサルヤズド城砦は、世界で最初の金庫として知られています。
サルヤズド城砦は、ヤズド州の中心都市ヤズド市から20㎞ほど離れたメフリーズ市にあります。
この城砦の歴史は、イスラム以前に遡ることができます。多くの考古学者の見解では、この場所はイラン人がヤズドで初めて居を定めた場所とされています。
3階建てのこの城砦には、468個の穴が存在し、それぞれが一つの家族の所有となっていました。その当時、ヤズドの人々は金や装身具などの価値ある財産を、より安全で安心できるこの場所に預けていました。
サルヤズド城砦は、財産の預け場所としての他にも、二つの特徴と機能を備えていました。そのひとつは、城砦の敷地が広いことから、穀物や食糧の貯蔵に適した場所となった点です。幾層にも別れ、小部屋や穴の多いこの城砦の作りは、住人たちが天候によって損害を受けやすい品々を保管するのに役立ちました。
もうひとつの重要な特徴は、戦争や略奪のような脅威から住民を守る場所となっていた点です。城砦には様々な安全対策を施されていたために、内部へ辿り着くのは、今日私たちが目にするほど容易なことではありませんでした。
この城砦の第一防衛線は、非常に高い堅固な壁の存在です。この壁によって、正門以外からこの場所へ出入りすることは実質不可能となっていました。さらに、城砦の周囲には深さ5~6mの堀が廻らされて、壁に取り付くことすら困難にしています。さらに敵の攻撃などの必要時には、この堀は水で満たされました。
次の防衛線となるのは、城砦の壁の2層目に作られた多数の櫓です。これは、見張り、矢による攻撃、情報伝達などの助けとなっていました。
最後の防衛線となるのは、城砦の構造です。城砦には正門と通用門がそれぞれひとつづつありますが、正門は巻き取り式の綱で開閉されており、この場所が攻撃を受け正門が壊された場合には、第2の門である通用門も閉鎖されました。
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