イメージが語るイラン
テヘランの聖ニコライ教会
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聖ニコライ教会は第二次世界大戦後に建設
聖ニコライ教会は、テヘランの中心部に位置しています。
この教会は帝政ロシアの最後の皇帝にちなんで名付けられました。ニコライ2世とその家族がレーニンの率いた左翼の多数派・ボリシェビキによって殺害されたことから、テヘランに逃れてきたロシア人たちは皇帝を偲んでこの教会にその名前を冠したのです。ニコライはロシア正教会を代表する聖人であり、「苦しむ聖人ニコライ」と呼ばれていました。
テヘランには昔から多くのキリスト教徒が暮らしていました。キリスト教徒がいることで、彼らの信仰と宗教的儀式のために多くの教会が建てられることになりました。
1945年から1947年の間に、ロシアでは政権交代が起こりつつありました。この時代、皇帝政権は徐々に崩壊し、スターリンが権力を握りました。民衆や皇帝側について戦った白ロシア軍の兵士らは、スターリンを恐れてイランに避難してきました。これらのロシア人グループの移住により、彼らを迎え入れたイランの各地で教会などの新しい建物が建てられることとなりました。


イラン初の老人施設
イランに移住したロシア人はしばしば孤独であったことから、それが聖ニコライ教会の傍にイラン初の老人施設が建設されることにつながりました。この老人用施設は、一人で、または家族を伴わずにイランに移住したロシア人移民を収容するための施設でした。後に老人用施設は、慈善センターに変わり、ロシア人、キリスト教徒、イスラム教徒やそのほかの宗教を信じる高齢者の介護に加えて、慈善活動にも従事していました。

建物の現在の様子
聖ニコライ教会はイランに住むロシア正教徒が運営しています。75年以上も前に建設されたこの教会は、ロシア人がイランから出国したこととイランでのロシア正教会の教徒の減少に伴い、その宗教活動も衰退していきました。 今日では、イランの正教徒の数も減少し、この教会はほとんどその活動を停止しています。



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