視点
米政府の二重基準、核合意復帰への障害
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イランとアメリカの国旗
「アメリカ政府はイランとの協議を求め、核合意復帰の用意があることを主張しているが、同時にイランの複数の企業や個人に対し新たな制裁を行使している」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相は2日火曜、ツイッターでこのように述べるとともに、「わが国は、アメリカ当局の行動を注意深く精査している』と語りました。
また、「アメリカ以外の核合意署名5カ国は、相互利益・権利の尊重に基づく協議の準備を整えておく必要がある」としています。
アメリカは、核合意に違反した側です。トランプ前大統領に続いてバイデン現大統領は、イランに対する最大限の圧力行使政策の失敗という事実を認めるとともに、核合意に復帰するつもりだとしました。しかし、アメリカはこれまで、この合意への復帰に向けた措置を全く講じていないのみならず、イランに対し新たな制裁を行使しています。
核合意や欧米諸国の政策に関するアミールアブドッラーヒヤーン外相の発言は、いくつかの重要な点に触れており、核合意復帰の障害について評価する際に重要なものとなってきます。
同外相は、「そもそもアメリカは、核合意復帰への真剣な決断を下しておらず、非論理的な振る舞いにより、イランへの責任転嫁や、制裁・政治的な圧力の行使、脅迫といった政策の続行を追求している」という点を指摘しています。
アメリカが一方的なやり方を続けるもう1つの要因は、ヨーロッパ諸国による核合意内の責務履行における怠慢や消極的な行動にあります。核合意がアメリカが引き起こした行き詰まりから抜け出る論理的な方法は、責務履行への無条件復帰です。核合意の維持にとって最も論理的な方法は確実に、国連安保理決議2231の枠組みにそった核合意内の責務履行ということになります。それは、過去の誤ちを続けることが、核合意の崩壊と、全ての関係国が損害を蒙るという結果につながるからです。
イランの大学で教鞭をとる国際問題評論家のアルデシール・サナーイー教授は、アメリカが核合意への復帰を渋っている最大の理由として、地域内での破壊行為および、アメリカ国内世論の同意に向けたバイデン大統領の努力、並びに核合意成立当時と比較しての状況の変化を挙げています。しかし、その一方で「アメリカ当局は表面的には、トランプ前政権による対イラン最大限圧力行使政策は失敗しており、アメリカの新たなやり方ではない、などと述べてはいるものの、実際の行動では、イランに対する最大限の圧力行使政策のメリットを利用しようとしている」と語りました。
核合意関連の問題を考える上でもう1つの重要な点は、折あるごとにアメリカ当局が非論理的な立場を垣間見せる脅迫的な態度です。
これに関する最新の事例として、ブリンケン米国務長官の最近の表明が挙げられますが、これにハティーブザーデ・イラン外務省報道官が反論しています。
ハティーブザーデ報道官はツイッターで、イランに対するほかの選択肢を考えているとしたブリンケン長官の発言に反応し、「脅迫がイランに対し奏功したことはない」と切りかえしました。
ハティーブザーデ報道官が指摘しているように、アメリカが想定するところの「選択肢」は、既に地域において検証済みであり、それは惨憺たる失敗をアメリカに突きつけたとともに、その結果残された醜悪な事態を他者が始末しなければならないことは、誰の目にも明らかです。
核合意に対するアメリカの過ちや、違法な対イラン制裁続行への固執はもはや明らかであり、否定できないものです。実際に、アメリカは核合意が現状に至ったことに対する、主要な責任者です。欧米諸国の信頼が失墜したことにかんがみれば、核合意への復帰が困難なことは当然です。しかし、決して複雑な取引でもありません。全ては、責務履行に向けた欧米諸国の決断次第であり、またそれは、過去の約束不履行の経緯があることから、検証される必要があるのです。
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