イラン外相がEU上級代表に勧告、「二重基準による行動を止めよ」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表との電話会談で、「わが国は、成果に軸足を置く論理的な協議を常に歓迎してきた。だが、恒久的で良好な合意の達成には、相手側が矛盾や二重基準をはらんだ自らの行動をやめる必要がある」と強調しました。
対イラン制裁解除を目指すウィーン協議が停止されている中、アメリカおよびフランス、イギリス、ドイツの欧州3カ国は、シオニスト政権イスラエルの圧力により、また、IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長の圧力への同調を受け、IAEA理事会で対イラン決議を採択させました。
この決議は、イラン側が自らの善意により行ってきたIAEAとの大規模な協力を無視した形となりました。
このことから、イラン原子力庁も保障措置外のIAEAの監視カメラ作動停止を発表しました。
さらに、アメリカ財務省は16日木曜、声明を発表し、「イランにある複数の石油化学企業および、これらの企業を支援していた中国とUAEアラブ首長国連邦の複数の企業を、制裁対象者リストに追加した」と表明しています。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相とボレル上級代表は18日土曜午後、対イラン制裁の解除を目指しての協議の最新動向に関して意見交換を行いました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は、合意成立に向けたボレル氏の努力を高く評価するとともに、IAEA理事会における決議採択での非建設的で性急なアメリカの行動を批判し、協議継続要求に対する答えとして、「わが国は、成果主義に基づく論理的な協議を常に歓迎してきた。だが、恒久的で良好な合意の達成には、相手側が矛盾や二重基準をはらんだ自らの行動をやめる必要がある」と述べています。
また、「我々はIAEAでの決議採択後、自国民の権利に関しては妥協しないこと、アメリカが非建設的な行動を続けるなら、それに見合った我々の反応に直面するということを示してきた」としました。
さらに、「我々はこれまでどおり、もっとも適切な問題解決の道筋が外交であると考えている」と語っています。
そして、「わが国はこれまで、片時も協議の場から離籍したことはない。このため、我々は望ましい合意を成立させるべく、協議において常に重要なイニシアチブを提示してきた。だが、協議は成果をもたらすものであるべきだ」としました。
一方、ボレル上級代表もこの電話会談で、最終合意成立に向けて今後とも引き続きプラスの役割を果たす意向を示すとともに、「現状打開策は、どこまでも外交を追求し、非建設的な行動を回避することだ」と語っています。
また、良好で恒久的な合意の成立に向けイランが建設的な意思を有していることを認めるとともに、「我々は、現在進行中のオーストリア・ウィーン協議での合意成立まで、それほど遠くないとこまで来ている。現在すでに、協議を早急に再開し、緊張増大を避けるよう努めるべき時が来ている」と述べました。
そして、「我々は、相手側と合意できる成果到達に向け、可及的速やかに必要な助力を行う用意がある」としています。