原子力規制委、「処理水のトリチウム測定地点増やす」
2月 16, 2022 20:42 Asia/Tokyo
日本の原子力規制委員会が、東京電力が進めている福島第一原子力発電所にたまる、トリチウムなどを含む処理水を基準以下の濃度に薄めて、来年の春ごろから海に流す計画に備え、この春から福島原発の周辺海域の測定地点を増やすことなどを決定しました。
NHKが16日水曜、報じたところによりますと、原子力規制委員会は、福島第一原発周辺海域のモニタリング強化策について環境省の専門家会議がまとめた助言を踏まえ、今後の測定方法を議論した結果、海水中のトリチウムについて、測定地点を8地点増やすほか、検出できる下限値をさらに下げ、より詳細な測定を行うなど、処理水放出前後で比較できるよう、この春からモニタリングを強化することを決めました。
これにより、国が行うトリチウムの測定地点は、処理水の放出口から10キロ以内を中心に、環境省と合わせて12地点から50地点程度に増える見通しです。
更田豊志委員長は「トリチウムの分析は時間がかかるほか、分析機関も数が限られる。測定の質が落ちたり、ミスが出たりしないよう十分に確認してほしい」などと語りました。
東京電力は、処理水を海に放出した場合の被ばくによる影響は極めて軽微だとしていますが、風評被害への懸念は地元を中心に根強く残っています。
こうした事態を受け、国や東京電力はモニタリングの強化で、風評被害の抑制につなげたい考えです。