イスラムにおける女性の位置づけとは?
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社会的な均衡における男性と女性の位置づけ、そし​​て社会的変化における男女の役割は、人類の思考にとって長年の課題とされてきました。
(last modified 2025-09-10T16:02:39+00:00 )
9月 09, 2025 16:44 Asia/Tokyo
  • イランにおけるイスラム教徒の結婚式の様子
    イランにおけるイスラム教徒の結婚式の様子

社会的な均衡における男性と女性の位置づけ、そし​​て社会的変化における男女の役割は、人類の思考にとって長年の課題とされてきました。

歴史を通して、男女の地位に対する個人・社会的な捉え方は大きく変化し、時には激しい男女間の対立に発展したこともありました。イスラムが出現した社会では、女性は多くの基本的人権を奪われていました。特に、イスラム以前のアラブ社会では女性の地位は非常に低く、女性は物品や商品とみなされていたのです。

【ParsTodayイラン】この記事では、イスラムにおける女性の位置づけについて考察していきます。
 

完全なる人間の魂を持つ存在

イスラムは、男性と同様に女性にも完全な人間の魂、意志、そして何物にも隷属しない自由が授けられていると考え、創造の目的である進歩・発展の道を歩んでいると見なしています。そのため、イスラムは女性と男性を全く同等の立場に置き、「信仰する者たちよ」という言葉で呼びかけ、教育、倫理、そして学術プログラムを女性にとって不可欠なものとしています。

神はイスラムの聖典コーラン第40章、ガーフェル章「罪を赦すお方」第40節において「しかし、信者である間、男であれ女であれ、善行を行った者は皆、天国に入り、その日には報酬が与えられる」と述べているほか、第16章アン・ナフル章、「ミツバチ」第97節において「信者である間、男であれ女であれ、善行を行った者は必ず良い生活を与え、その者の行いの中で最も良いものに応じて必ず報いる」などの節で男女ともに完全な幸福を約束しています。神は、すべての男女がイスラムの教えに従うことで精神的および物質的な発展を遂げ、平和に満ちた「善良な」生活への第一歩を踏み出せることを明確に示しています。
 

独立、そして何物にも隷属しない自由

イスラムは、女性を男性と同様にあらゆる意味で独立した存在であり、何物にも隷属せず自由であるとみなしています。これについて神は、例えば第74章ムッダティル章、「包まる者」第38節では「すべての魂は自らの行いに責任を負う」とし、また第41章フッスィラト章、「解明」第46節では「善行を行う者は自らの利益のためであり、悪行を行う者は自らの魂に反する」と述べており、男女を問わずすべての個人にこの自由が与えられていることが示されています。一方、独立は意志と選択の前提条件であるため、イスラムはあらゆる経済的権利にこの独立性を含め、女性にとってあらゆる種類の金銭関係を自由であるとし、女性を自らの収入と資本の所有者とみなしています。

また、コーラン第4章アン・ニサーア章「婦人」第32節には、「男性は自らの手に入った分け前を持ち、女性も分け前を持つ」と記されています。お金を得る、即ち「稼ぐ」ことの対義語である「獲得」という言葉が、その結果がそれを得た人に属することを意味するという点に注目し、また「すべての人は自分の財産を管理する」という一般原則に照らし、イスラムが女性の経済的自立を尊重し、男性と女性の間に区別を設けないことははっきりしています。
 

役割分担

イスラムでは、男女は人間性においては平等であるとされていますが、社会的な義務など、他の側面においては両者の間に差異が存在します。しかし、これらの差異は決して差別や法的不平等を意味するものではありません。逆に、イスラム教がこれらの差異を通して目指しているのは、男女それぞれが各々の義務を最も効果的に果たせるように、労働を規制し、分担・分業させることです。これらの差異は事実上、社会における男女それぞれの社会的かつ自然な機能を最適な場合に振り分けること、即ち適材適所を目的としているのです。

最後に、コーランは女性を独立した権利と義務を持つ人間として認め、神の観点からは人間的価値において男女の間に一切の差異がないことを強調しています。したがって、神の御前における人間の優位性を決定するのは性別ではなく、敬虔さと正しい行いだと言えるのです。
 

 


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