バーレーンのシーア派聖職者の市民権剥奪に対する国連の反応
バーレーン政府が、バーレーンのシーア派高位聖職者ガーセム師の市民権を剥奪したことに対し、国連が、この決定は正当化できないものだとしました。
ナジャフィー解説員
国連の関係者は、スイスのジュネーブで行われた会合で、「バーレーンのシーア派高位聖職者ガーセム師の市民権剥奪は、法的なプロセスを経ていないため、正当化できないものであり、明らかに不当な措置だ」と語りました。
バーレーン内務省は、弾圧的な措置を続ける中で、この国の民主的な蜂起の指導者、ガーセム師の市民権を剥奪しました。この措置は、これまで、国内や国際社会からの強い反発を招いています。国連難民高等弁務官事務所など、様々な国際機関や要人は、バーレーン政府による市民権の剥奪を、圧制的で禁じられた措置だとしています。
バーレーン政府が、政府に反対する人物の市民権を剥奪しましたが、世界人権宣言の第15条では、、「すべて人は、国籍を持つ権利を有する。 何人も、ほしいままにその国籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を否認されることはない」とされています。そのため、高位聖職者をはじめ、政府に反対する立場の人々から市民権を剥奪することは、この世界人権宣言への明らかな侵害です。世界人権宣言は、国籍は、決して奪うことのできない明らかな権利だとしており、市民権の剥奪は、法的な根拠に欠けています。
バーレーンでは、2011年2月以来、バーレーン政府に対する民主的な革命が続けられています。政治活動家に対する大規模な逮捕、反体制派グループを消滅させるための措置、自由の剥奪は、これまで以上に、バーレーン政府の専制的な本質を明らかにしています。
バーレーンの人権侵害に関する新たな報告では、今年、状況が悪化しているとされています。バーレーン政府は、政治的な手段や陰謀により、民主的な蜂起を抑制すると共に、反体制派を政治的、社会的な場面から排除しようとしています。反体制派の市民権を剥奪する政策も、そのような政策の一環と捉えることができるでしょう。
バーレーン市民からの市民権剥奪、また外国人への市民権の授与は、政治的な動機によって行われています。このような措置は、バーレーンの人口構成を変更することを目的に行われています。
バーレーン政府は、この国の国民に対し、表現の自由、平和的な集会を開催する自由、政治結社の自由といった権利を禁じ、引いては市民権の剥奪によって、祖国で暮らす自由を奪っています。このような政策の結果、バーレーンには閉塞感が広がっています。
バーレーン政府は、政治活動家の市民権を剥奪し、彼らを国外に追放し、祖国に帰還する可能性を奪っている一方で、独裁的な国王への追従を条件に、外国人に市民権を与え、分断政策を推進しようとしています。
バーレーン政府が市民の権利を侵害し、祖国で暮らす権利を奪っていることは、明らかな人権侵害と見なされます。人権に関する国際機関は、バーレーン政府の人権を巡るこれまでの行動は、世界で最も残酷なもののひとつだと強調しています。