サウジメディア、「パレスチナ問題は優先事項でありサウジはイスラエルとの関係急がず」
サウジアラビアとシオニスト政権イスラエルとの関係正常化の可能性について、憶測やシオニスト政権側のプロパガンダが入り乱れる中、サウジメディアが、同国政府はパレスチナ問題を優先事項と考え、同政権との関係を急ぐつもりはないと強調しました。
サウジアラビア紙・リヤドは、「異なる平和」と題した社説において、サウジアラビアがアメリカの肝いりによるシオニスト政権との関係正常化を急いでいないことを状況は示しており、パレスチナ問題はサウジ政策の優先事項であるほか、同国はあらゆるレベルでパレスチナ問題を支援した最初の国のひとつであったと指摘しました。
同紙は続けて、「(関係正常化の)協議は、担当者間の直接交渉に至るまでに時間がかかるものだが、それが予想よりさらに長引く場合もある」と説明しました。
アメリカを含む西側およびシオニスト政権、そして一部のアラブメディアは、アラブ首長国連邦とバーレーンによるシオニスト政権との関係正常化を受けて、サウジアラビアなどの多くのアラブ諸国がこれに続くだろうとする、政治的プロパガンダを展開し始めました。しかし、この時から3年が経過したものの、現時点で関係正常化に踏み切ったのは、アフリカの2か国およびモロッコとスーダンのみです。
シオニスト政権のネタニヤフ首相は、これ以前に国連総会で、「バイデン米大統領の協力が得られれば、サウジアラビアと関係正常化合意に達することは可能だと信じている」と述べていました。
一方、サウジアラビアのムハンマド皇太子は29日水曜、米FOXニュースとのインタビューで、シオニスト政権との関係正常化はパレスチナの人々の目標を実現させることが条件だとしながら、「パレスチナ問題は、イスラエル(政権)との関係正常化のためにも重要である」と述べています。
専門家らは、ネタニヤフ首相はおそらく、自身が陥っている深刻な内部危機から抜け出すために、サウジアラビアとの関係正常化を成果として示そうと努めているが、このことはシオニスト政権内の緊張と亀裂をさらに広げることになるだろう、と予測しています。