イラク政府が、米軍撤退を本格的に決意
イラクのスーダーニー首相は、同国からの米軍撤退を強調する異例の表明を行いました。
スーダーニー首相は、同国からの米軍撤退に向けた行程表を作成する意向を示しました。
イラク軍最高指揮官を兼任するスーダーニー首相は、抵抗軍司令官らの殉教4周忌の追悼式典において、「我が国の政府は、国内での米軍駐留終了に関する最終取り決めにしたがって、両国間委員会の作業開始日を設定中である」とし、「イラクからの米軍撤退に関しては、妥協や怠慢は一切ない」と語りました。
また、「イラク国土に対するアメリカのテロ攻撃と抵抗軍司令官の殉教は、両国間の関係を規定するあらゆる法律に対する攻撃であり、正当化できない犯罪であった」と述べました。
3日水曜は、イラン・イスラム革命防衛隊ゴッツ部隊のガーセム・ソレイマーニー司令官の殉教から4周年の日でした。
ソレイマーニー司令官は今から4年前の2020年1月3日、イラク当局の公式招待により同国を訪問中、首都バグダッド空港付近で侵略者かつテロリストたるアメリカ軍の無人機攻撃を受け、同行するイラク民兵組織ハシュドアルシャビのアブーマハディー・アルムハンディス副司令官ほか8人とともに殉教しました。
スーダーニー首相はさらに、「イラク民兵組織ハシャドアルシャビの拠点に対する米軍の攻撃は、わが国の国家主権を侵害したテロ行為だ」としました。
そして、「米軍はこれまでに何度も、この民兵組織の拠点をターゲットに攻撃した」とし、「ハシャドアルシャビは正式な政府所属組織で、イラク軍事組織の不可分なひとつだ」と語りました。
さらに、「西アジア地域は昨年10月7日以来、被占領地パレスチナ・ガザ地区での同国住民に対する占領者の犯罪や侵略政策により危機的状況に陥っている」とし、「イラクの政府と国民は、ガザ地区での残忍な行動の継続に関して警告しており、このような状況が続けば地域や世界にとって危険な影響をもたらすだろう」と述べました。
テロ組織ISISとの戦いの終結、そしてイラク領土からの全多国籍軍撤退計画がイラク議会で可決されたことを受け、イラクにおける米軍駐留の終結を目的に両国の間で何度も戦略交渉が行われました。しかし、アメリカは依然としてイラク領内でこの決議に違反し続けています。