視点;モハンマディー解説員
ガザでの大量虐殺激化にUNRWA利用するイスラエルと西側諸国
シオニスト政権イスラエルは、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの壊滅を目的とした自身のガザ攻撃が奏功しないまま約4か月が経過した後、一部の西側支持者の協力を得て、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関への資金援助停止というやり方へ舵を切りました。
シオニスト政権イスラエルが先日、昨年10月7日のパレスチナ抵抗勢力による「アクサーの嵐」作戦に数人のUNRWA職員が関与していたという主張を始めた後、アメリカ、イギリス、ドイツといった一部西側諸国は直ちに、同機関への資金援助停止を発表しました。UNRWAへの資金援助停止は、現在困難な状況にあり住民が大量虐殺されているガザの数十万人のパレスチナ人難民に対する、食料および保健衛生上の援助の停止を意味することにほかなりません。
1949年に設立され現在約3万人の職員を擁するUNRWAは、ガザ戦災地域をはじめとしたパレスチナ領土内外にいる500万人以上のパレスチナ人を支援しています。
シオニスト政権は今月26日、複数のUNRWA職員が「アクサーの嵐」作戦に関与していたと主張しましたが、その真偽の確認が行われていないにもかかわらず、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フィンランド、イギリス、イタリアの西側6か国は同日、不正行為への関与を理由に同機関への資金援助を停止するとした声明を発表しました。
さらに翌日には、これらの国にドイツ、スコットランド、フランスもUNRWAへの資金援助の停止を発表して、パレスチナ人虐殺拡大を後押しする仲間に加わりました。
シオニスト政権イスラエルはなぜ、UNRWAがガザで行う支援活動の停止を目論んだのでしょうか?
一部の識者はこの件について、現在の状況に陥ったシオニスト政権が、ガザに住むパレスチナ人やハマスへの圧力を強めつつUNRWA職員へ疑惑の矛先を向け、ICJ国際司法裁判所で南アフリカに提訴されたことによる自身の司法上・外交上の失敗を覆い隠そうとして起こした出来事ではないかと考えています。
シオニスト政権が南アフリカによりICJに提訴されたことは、約1か月前より国際的にも大きなニュースとして扱われていますが、同裁判所が先日出した暫定措置命令でシオニスト政権とその支持者らが非難されたことにより、同政権が有責の側に立たされ、今後ガザ戦争をめぐり非難を受けるであろうことは、明白になっています。
それでもシオニスト政権がこのような行動を起こした理由は、実のところ、自身を支援する西側の協力によりUNRWAへ疑惑を向けるという流れを作り出すことで、なし崩し的に他の国連付属機関の信用を失墜させ、さらにそのような機関のひとつであるICJの判断の信頼性を貶めて、少なくともイスラエル世論に、自政権の行動を正当であるかのように見せるためです。
ガザの人々を中心とした数十万のパレスチナ人がシオニスト政権の行う最も激しい空爆や地上攻撃にさらされている状況の中で、シオニスト政権を支援する者たちがUNRWAへの資金援助停止を決定したことが示すのは、軍事行為により目論んだパレスチナの人々や抵抗勢力の意思を挫くという目的を達成できなかった同政権が、その後に描いた、西側の助けを借り飢餓や保健・医療サービス停止という武器を使ってガザで大量虐殺を続けようという企みなのです。
一部の西側諸国は、「アクサーの嵐」作戦にUNRWA一部職員が関与したとして同機関への資金援助停止というイスラエル政権の要求に協力しましたが、その一方でこの4か月間でイスラエルがガザ攻撃でUNRWA職員150人を死に至らせ、同政権が歴史上でも類のない犯罪を引き起こしていることには、沈黙を貫いています。
また、万が一UNRWA職員のうち数人に関するシオニスト政権の主張が正しかったとしても、他の数万人のUNRWA職員が行う努力やガザでのパレスチナ人難民数十万人に向けた支援活動が無視され、同機関が全体として処罰されることは、正しいこととは言えません。
このように、イスラエルを支援する国々の今回の決定は、ガザでの人道危機が起きている現在の状況ではパレスチナ人数百万人の集団的処罰と同等の行為であり、彼らはガザの人々の大量虐殺に直接加担したと結論付けることができるのです。
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