6月 30, 2024 20:14 Asia/Tokyo
  • シオニスト研究者「イスラエルが勝利する時代は終わった」
    シオニスト研究者「イスラエルが勝利する時代は終わった」

シオニスト研究者のハガイ・オルシャンスキー氏は、「イスラエルが勝利する時代は終わった。ネタニヤフ首相が敗北を勝利に見せかけていることに気付かなければならない」と語りました。

【ParsToday西アジア】オルシャンスキー氏はイスラエル紙「タイムズ・オブ・イスラエル」への寄稿で、「(ハマスによる攻撃のあった)昨年10月7日以降、勝利の概念は変わってしまった。これからは、通常の持続する勝利というものは存在しない」とし、「この戦争でイスラエルは自らの目標を達成することは1つもないだろう。抑止力は使い果たし、余力もないからだ」と記しました。

そして、ネタニヤフ首相については「訴追から逃れるためなりふり構わず振る舞っている。戦争を続けていれば、ヨルダン川西岸で何をしても10月7日を理由にできるからだ」としました。

その上で、

「10月7日以降にヨルダン川西岸で殺害されたパレスチナ人の数は、南アフリカで30年続いたアパルトヘイト体制下で殺された黒人よりも多い」

と指摘しました。

また、罪のないパレスチナ人の殺害は西岸住民の怒りに火をつけ、ガザ・レバノンと並んでイスラエルにとって第3の戦線を生み出すことになり、イスラエル軍による略奪・破壊を後ろ盾にした入植者の活動も、戦火を拡大させる一因となっていると指摘しました。

オルシャンスキー氏は、イスラエルがすべてにおいて敗北する前に、イスラエルが生き残る希望がわずかながらあるとし、それはガザ戦争の終戦であるとしました。そして、ガザ戦争を速やかに終わらせ、最良の条件でパレスチナを独立させることがイスラエルにとって利益になるとしました。

その上で、国連や国際社会の助けを得れば、国連の承認を得た政治的合意の形で停戦は可能だと訴えました。

オルシャンスキー氏はまた、仮にイスラエルにこうした合意を目指す意思がないとすれば、敗北は甚大なものになるとしました。その理由として、合意が遅くなればなるほど、その条件はイスラエルにとって悪いものになり、最終的にはイスラエルに対する経済制裁も発動されかねないとしています。

停戦合意に関してオルシャンスキー氏は、イスラエルにとって最悪な状況は、自らが内容の策定に関与しない停戦内容に合意せざるを得なくなることだとしました。これはかつてのアパルトヘイト体制下の南アフリカがたどった道であり、明白な勝利というものはなく、敗北の中でよりましなものを選択するしかない段階だとしました。

オルシャンスキー氏はまた、パレスチナ人の置かれた現状について、行動や移動の自由がなく、パスポートも持てず、生活そのものがイスラエルの軍事占領に管理されていると指摘しました。

 

 


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