アラウィー派とはどのような人々か?
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伝統衣装に身を包んだアラウィー派の少女たち
豊かな歴史と文化を持つ西アジアは、常に複数の異なる文明と宗教が遭遇する場所でした。その中でアラウィー派は重要な少数派宗教の一つとして地域、特にシリアの歴史において特別な役割を果たしてきました。
【ParsToday西アジア】現在ネット上には、シリアの武装勢力が一部の市民やその家族をヌサイリー派もしくはアラウィー派と断定して迫害している動画や画像が相次いで投稿されています。しかし、アラウィー派とは一体どのような人々で、彼らはどのような信念を持っているのでしょうか?
「ヌサイリヤ」としても知られるアラウィー派は、イスラム教預言者一門の信奉者の一部であり、その歴史的ルーツは西暦12世紀にまで遡ります。彼らは、特にラタキア県を含むシリア西部の山岳地帯に住んでおり、シリアの少数派の宗教集団として、歴史を通じ多くの課題に直面してきました。
アラウィー派のたどってきた歴史とその社会・政治的役割
アラウィー派は歴史を通じてしばしば、宗教・社会的差別に遭遇してきました。オスマン帝国時代やそれ以前でも、宗教上の違いから弾圧されていました。しかし現代、特にバアス党(シリア・イラクなどアラブ主義諸国で活動する汎アラブ主義政党。正式名称はアラブ社会主義復興党)やアサド前シリア大統領の実父に当たるハーフィズ
氏がシリアで政権を掌握して以降、彼らの政治的・社会的地位は回復しました。
信条
アラウィー派はそもそも「アリーに従う者」を意味し、イスラム教預言者ムハンマドの娘婿である初代イマーム・アリーを特に信望しています。
アラウィー派はその信仰から見て、以下の4つの精神的な門(バーブ、真理に至る門)があります。
●イスラム法(シャリーア)●神秘主義●叡智●真理
アラウィー派の流儀では、家族と女性を尊重することも非常に重視されています。アラウィー派の観点からは、以下の5項目が大罪とみなされています。
●他人を殺めること●姦通●妻を離婚すること●人権侵害●窃盗
音楽に対するアラウィー派の見解
アラウィー派はいずれの時代においても、また権力を有していた時代やそれ以外の時期にあっても、常に音楽と良好な関係を保っており、指導者の中には楽器を演奏したり歌ったりする人もいました。
地理的分布
アラウィー派はイスラム世界の様々な地域に散在していますが、主にシリア、トルコ、イラク、レバノン、その他西アジアの一部の地域に分布しています。