視点、反パレスチナ的「世紀の取引」案に対するイランの反応
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パレスチナを支持するイラン人女性
アメリカのトランプ大統領による一方的な計画・通称「世紀の取引」が発表されると同時に、イランがパレスチナの真の支持者として、この反イスラム的計画案と戦うために外交的話し合いを倍加させました。
アメリカのトランプ大統領は28日火曜、ホワイトハウスでシオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相と並び、「世紀の取引」と呼ばれる甚だ偏った内容の計画案を発表しました。
同案によれば、聖地ベイトルモガッダス・エルサレム全域がシオニスト政権イスラエルに委譲、抵抗勢力は非武装化され、他国に移住しているパレスチナ難民は祖国への帰還の権利を失います。また、パレスチナはガザ地区とヨルダン川西岸に残された地域のみを領有するとされています。
トランプ大統領がこの完全に政治的な計画案を発表した後、イラン外務省のムーサヴィー報道官とラーリージャーニー国会議長は、このアメリカによる案と戦うために、イスラム諸国が一丸となって共同戦線を形成する必要性を強調しました。
ムーサヴィー報道官はツイッター上で、「通称”世紀の取引”の背後には巨大な陰謀が隠れている」としました。
ラーリージャーニー議長も29日水曜、書簡や電話会談でイスラム諸国会議の首脳陣に対し、「世紀の取引」案との戦いに協力を要請しました。
同議長は、「パレスチナの被占領地域での本来の居住者たちが参加する住民投票の実施という、イランの民主的かつ政治的案であれば、パレスチナ問題の公正な解決と同国国民の権利の擁護に到るだろう」と語りました。
パレスチナと聖地ベイトルモガッダス・エルサレムの問題は、イスラム世界の基本的かつ筆頭課題です。「世紀の取引」案は、父祖の地におけるパレスチナの人々の存在や生活を標的にしており、さらに国連憲章やパレスチナに関する国連決議とも矛盾しています。
同案は、米トランプ大統領とシオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相との間の一種の取引と言えるものです。この中ではパレスチナはこの地の基本的領有権を持つ存在として扱われておらず、国内で危機に直面しているトランプ大統領とネタニヤフ首相の両者にとって、この案は単なる政治的意味を持つものでしかありません。
この点について、アメリカの国際金融情報サイト・ブルームバーグは29日、「”世紀の取引”はネタニヤフ首相とトランプ大統領を助けるための案だ。トランプ大統領は自身の弾劾裁判への注目を拡散させられるし、ネタニヤフ首相も議会選挙を前にして司法上の罪に問われているからだ」と伝えました。
「世紀の取引」は、トランプ大統領とネタニヤフ首相にとってこの計画案でのパレスチナの人々の権利や同意は二の次であることを示して見せています。そのために、彼らはパレスチナ国民の人権を擁護する国連決議には目を向けていないのです。
このような状況で、法的な諸機関においてパレスチナの土地の合法的な本来の所有者を支持して新しい法的戦略を採っていくために、パレスチナの人々の権利や父祖の地、パレスチナ難民の祖国への帰還、パレスチナの首都としての聖地ベイトルモガッダス・エルサレム全域を擁護することは、国際社会の基本的責務といえるでしょう。
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