サウジの攻撃激化によるイエメン和平への道の破壊
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イエメンに対するサウジアラビア主導アラブ連合軍の攻撃が激化していることを受け、イランと国際当局・機関との間で政治・法的な協議が増加しており、これに関連して、アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相もグテーレス国連事務総長と会談しています。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
1月 30, 2022 03:46 Asia/Tokyo

イエメンに対するサウジアラビア主導アラブ連合軍の攻撃が激化していることを受け、イランと国際当局・機関との間で政治・法的な協議が増加しており、これに関連して、アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相もグテーレス国連事務総長と会談しています。

アミールアブドッラーヒヤーン外相はグテーレス事務総長との電話会談で、イエメン民間区域への攻撃の激化を指摘し、イランとしてイエメン戦争の終結に向けた政治的な解決策を支持していくことを強調しました。

これに先立ち、イラン司法府人権本部のガリーブアーバーディ書記はOHCHR・国連人権高等弁務官事務所に宛てた書簡において、イエメンの現状について、「2022年1月21日世界は再び、国際法、特に人道法の原則と基礎に反する、残忍で非人道的な行動を目の当たりにした」と述べています。

アラブ連合軍はイエメンの住宅地や民間地域への攻撃を激化させる中、今月21日には北部サアダ県の刑務所への空爆により、100人以上のイエメン人囚人を殺害、さらに250人以上を負傷させました。

イランは、イエメン戦争中常に同国民を支持してきており、世界最大の危機または人道的大惨事とも言われるイエメン戦争の終結に向けた合理的・政治的なイニシアチブを開始することにより、国際的な取り組みに沿って、交戦勢力の双方を交渉のテーブルに復帰させるべく努力してきました。

イランは、国連がイエメンの人道的包囲の終結や停戦成立に向け、イエメン戦争終結のための政治交渉を行う上で、より重要な役割を果たすべきである、と考えています。

イエメン攻撃の激化は、同国の危機解決の役には立たず、逆にイエメン戦争の地理的範囲の拡大、そして最終的には和平への道の破壊につながり、同時に地域の安全保障と安定が危険にさらされることになります。

6年以上にわたるイエメン戦争の経験は、同国への攻撃の拡大がイエメンの抵抗をかえって増加させることを示しており、またそのような状況では、イエメン抵抗勢力が敵に対する軍事的選択肢に向かって動くのは当然と言わざるを得ません。

イエメン救国政府のアルアーテフィー国防大臣は、「敵の攻撃に反撃することはイエメン国民の正当な権利であり、わが国のハリケーン作戦がその地理的範囲を拡大し続けるにつれて、侵略国は自らの領土の深奥部で痛みを伴う攻撃を見せ付けられることになる」と語りました。

公表された統計によりますと、アラブ連合軍は2022年1月にイエメンの住宅地と民間地域に対して800回以上の攻撃を実行しました。攻撃が続く中、イエメン国民全体の90%以上が人道援助を通じての医薬品と食糧を必要としています。

しかし、イエメンは陸、海、空から全面的に封鎖されているため、同国への支援提供は困難になっています。

そのような状況では、イエメンへの攻撃の激化は現在の危機を悪化させることになります。平和と安全を支持する機関としての国連およびその傘下にある組織は、イエメン危機の解決とイエメン国民の基本的ニーズへの対応を支援する上で重要な役割を担っているのです。

 

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