核合意復活交渉が、国際石油市場に影落とす
オーストリア・ウィーンで開催された対イラン核合意復活・制裁解除交渉での進展をうけ、原油の国際価格が低下しました。
ロイター通信によりますと、イラン産原油の輸出増へ道を開くことになるこの交渉で新たな動きが見られたことを受け、9日火曜はヨーロッパ産主要銘柄の北海ブレントが80セント値下がりし、1バレル95ドル85セントで取引されました。
なお、前日8日にはこの銘柄は1.8%の値上がりを示していました。
また、アメリカ産軽油WTIも2日前には2%値上がりしていたのが、9日には75セント値下がりし、1バレル90ドル1セントとなっています。
ANZオーストラリア・ニュージーランド銀行のアナリストによりますと、イラン・アメリカ間の核関連合意の行方が依然として市場に影響しているということです。
CBAオーストラリア・コモンウェルス銀行のアナリストは、「制裁が解除されたとしても、イランの石油輸出の再開時期は明らかではないが、イランが石油輸出を比較的迅速に増加させる行動の自由があることは確かだ」との見解を示しました。
また、「イランは、6か月以内に石油輸出を 1 日あたり100万から150万バレル (または世界の石油供給の 1.5%以上) 増量できる」と述べています。
石油市場は景気後退への懸念から依然として逼迫した状態が続いており、北海ブレントの価格は過去1 週間あたりとしては最大の値下がりを記録しています。
ロイター通信の質問に答えたアナリスト5人の予測によると、原油在庫は今月5日までの1週間に約40万バレル、ガソリン在庫は約40万バレル減少すると予想されています。
こうした中、ディーゼルやジェット燃料を含む石油製品の在庫は横ばいとなっています。