ガス問題;ヨーロッパのアキレス腱
米カーネギー財団が、「EUは少なくとも2025年まではガスの輸入に依存することになるだろう」と表明しました。
イルナー通信によりますと、カーネギー財団のアナリスト、セルゲイ・ワクレンコ氏は、ヨーロッパでのエネルギー危機の悪化・継続は、全ヨーロッパ諸国の政府にとっての大きな頭痛の種であることに触れ、「ヨーロッパは夏全体を通してエネルギー危機に備えて準備していた中、ロシアのガスプロム社が今月初旬、ヨーロッパにガスを輸送するノルドストリーム1・ガスパイプラインのタービン故障により、輸送を停止したが、この措置は確実に、ヨーロッパに経済的影響をもたらすだろう」と述べています。
カーネギー財団によれば、ガスはヨーロッパに圧力をかけるためのロシアの最も強力で効果的なツールであり、ウクライナでの戦争が終わればいつでも、ロシアは非常に低価格でのガス供給の用意があるということです。
ワクレンコ氏はまた、「ヨーロッパは、少なくとも 2 ~ 3 年は困難に直面するだろう。一方で、欧州は 2025 年まで世界市場でガスの代替源を見つけられない可能性が非常に高い」と強調しています。
さらに、「エネルギー価格の高騰に伴う危機の継続や悪化は、すべてのヨーロッパ諸国の政府にとって大問題であり、必然的に多くの産業が生産を削減し、又は閉鎖する可能性もある」と強調しました。
カーネギー財団の話では、ロシア産ガスは、将来のエネルギー構造の機能を確保するためにも、ヨーロッパにとってエネルギー源として不可欠なものです。
イエレン米財務長官も11日日曜、「EUがロシア産石油の購入を大幅に削減・禁輸する冬には、アメリカ国民が石油とガスの価格の上昇に見舞われる可能性がある」と表明しました。