ロシアがOPECプラスを称賛、米による「混乱」に対抗
ロシアが、OPEC石油輸出国機構とそれ以外の産油国で構成するOPECプラスによる産油量の削減決定を賞賛しました。
ロイター通信がロシア・モスクワから報じたところによりますと、ロシア政府は9日日曜、OPECプラスの減産合意について、米国が世界のエネルギー市場にまき散らした「混乱」に対抗することに成功した、として称賛しています。
バイデン米大統領は中間選挙を前に、米国のガソリン価格が再び急騰することを阻止する狙いで減産しないよう強く働きかけていました。
しかし、OPECプラスが減産を決定したことで、既に緊張状態にあったバイデン米政権とサウジアラビア王室との関係はさらに悪化したと見られています。
OPECプラスの今回の決定について、ペスコフ・ロシア大統領報道官は、「OPEC内で責任ある立場の国々によるバランスのとれた、思慮深い、計画的な行動が、米国の行動に対抗する」ことは極めて良いと指摘し、「これは少なくとも、米国が引き起こしている混乱と釣り合うものだ」と述べました。
さらに、「米国はOPECの決定に対して冷静さを失い始め、さらに自国の備蓄を市場に押し出そうとしている」と分析し、「米国は石油備蓄を市場に追加投入することで操作しようとしている。このようなゲームは何も良い結果をもたらさないだろう」と語っています。
OPECプラスが今月5日、日量200万バレルの減産を決めたことを受け、米ホワイトハウスは議会とともに、エネルギー価格に対する石油カルテルの影響力を弱める報復措置に乗り出すことをおわせました。
ただし、アナリストらは「実際にこうした行動に踏み切れば、米国の輸出も落ち込む」との見解を示しています。