ベネズエラのリゾートが、ロシア人旅行者を温かく歓迎
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ベネズエラとロシアの国旗
南米ベネズエラが、ウクライナ危機のさなかでもロシア人観光客を温かく迎えています。
フランス通信が11日日曜、報じたところによりますと、ウクライナ危機を受けてビザ(査証)発給制限や入国制限に直面しながらも、太陽の下で休暇を過ごしたいロシア人にとって、ベネズエラ領マルガリータ島が、今やカリブ海の天国となっています。
マルガリータ島は、白砂の海岸にターコイズブルーの海が広がる熱帯の宝石とも評されており、島の国際空港では、ロシア語で「ようこそ」と書かれた看板が観光客を迎えます。
しかも、島内観光ツアーからロシア語の通訳まで全てが整っており、旅行者が案内役なしでホテルを出ることはありません。
現時点では、ベネズエラの政治的・経済的混乱が長期化する中、観光客が寄り付かなくなり、西側諸国からは渡航中止勧告が出ています。
そのような中、ロシアのノードウインド航空が運航するモスクワとマルガリータ島を結ぶ直行便は、ウクライナ危機による7か月間の中断を経て、去る10月2日に再開されました。対ロ制裁による飛行制限区域を避けた新路線を、この2か月間で約3000人のロシア人観光客が利用しています。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、幅広い協力関係を持つ友好国であるロシアと、年末までに約10万人の観光客を受け入れる協定を締結しました。
マドゥロ大統領は、観光業を、長引くハイパーインフレと通貨暴落で回復の兆しが見えない経済を活性化させる秘策と位置付けています。
なお、地元ヌエバエスパルタ州観光会議所の会長は、「観光客の急増で島の経済には直接の効果が出ており、統計はないものの徐々に回復しつつある」とコメントしました。