ロシア、「アフガンにおける米とNATOの戦争犯罪は無視」
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アフガンにおける米兵士
ロシアのネベンジャ国連大使が、安保理会合において、「アフガニスタンにおいて米国とNATO北大西洋条約機構が行った戦争犯罪は、無視されている」と述べました。
アメリカとその同盟諸国は、アフガンの治安全確保やテロとの戦いを口実に2001年10月7日、同国へ侵攻しました。
米軍は、アフガニスタンを20年間にわたり占領し、経済や保健インフラの破壊を伴う数々の犯罪を行った後の2021年8月、最終的に惨めな敗北という形で同国から撤退しました。そして同月中旬には、現支配勢力であるタリバンがアフガニスタンで再び権力を握るに到っています。

イルナー通信によりますと、ネベンジャ国連大使は現地時間21日火曜に行われた安保理会合で、アフガニスタンにおけるアメリカとNATOの戦争犯罪が無視されていることに言及し、「西側諸国は、同国における現実的な開発プロジェクトには関心がなかった」と非難しました。
続けて、アフガニスタンの在外資産を凍結解除するよう求めました。
アメリカは、タリバンが権力を握ったことを口実に、アフガニスタン中央銀行が同国で保有する資産100億ドルを凍結しました。そしてしばらく後に、2001年の9.11同時多発テロの犠牲者のために使用するとして、この資産のうち 30億ドルを没収すると発表し、さらにその後、35億ドルの分を信託基金としてスイスに移すことを決定しました。
一方、この凍結資産の返還については、タリバン暫定政権とアフガン中央銀行の他にも、国連のグテーレス事務総長が要請しています。
グテーレス事務総長は、「この資産をアフガンに引き渡すことは、同国の人々を貧困や生死にかかわる病気から救うために不可欠である」と指摘しています。