NATOが、対ウクライナ軍事支援の緊急拡大を加盟国に要請
NATO北大西洋条約機構のストルテンベルク事務総長が各加盟国に対し、ロシアが新たに対ウクライナ軍事攻撃を仕掛ける用意があるとして、ウクライナに対する軍事支援を緊急に増やすよう求めました。
ファールス通信によりますと、ストルテンベルク事務総長は各加盟国に対し、ウクライナに対する軍事支援の緊急拡大を求めました。
ストルテンベルク事務総長のこの表明に先立ち、20日金曜にはドイツ西部ラムシュタイン米空軍基地で対ウクライナ軍事支援に関する関係国会合が開催されました。同事務総長はまた、「ロシアは新たな攻撃に向け準備している。これゆえ、ウクライナの勝利を確実にし、ロシアに制圧された地域を奪還するために、支援を強化する必要がある」と述べました。さらに、「ロシアは和平への用意をまったく示さず、逆に、戦争の長期化に向け準備している」としました。
続けて、「ウクライナは戦場での戦果により、今後交渉の場に臨むに当たり強力な立場を取れるはずだ」と語りました。
ストルテンベルク事務総長は、米国、ドイツ、フランス、カナダ、デンマーク、オランダ、スウェーデンがウクライナに供与した防空システムと装甲車両を高く評価し、さらに「イギリス、フランス、ポーランドも攻撃用戦車と軽量戦車をウクライナに提供する準備ができている」としました。
こうした中、最近就任したドイツのピストリウス国防相は、就任後最初の声明でウクライナ防衛を強調し、「我々はウクライナへの支援を惜しまない」と表明しました。ランブレヒト前国防相の後任として着任したピストリウス氏は、「対ウクライナ武器支援の優先事項は防空システムだ」としています。
また、ドイツ製戦車「レオパルト2」のウクライナへの提供に関して、「現在、これらの戦車の供与決定の時期を決めることはできない。しかし、わが国がこの種の戦車のウクライナへの提供を阻止していると言うのは誤りだ」と表明しました。
なお、NATOはEUとともに今月10日、共同宣言に署名後、ウクライナに対する支援の強化を約束しました。


