安保理で、ガザ関連の米ロ提案決議に拒否権が行使
国連安保理でパレスチナ・ガザ地区の情勢に関してロシアと米国がぞれぞれ提案した決議草案は、当事国が相互に拒否権を行使したことにより採択されませんでした。
米ニューヨーク時間の25日水曜、ロシア、中国、UAEアラブ首長国連邦、ガボンは、ロシアが提案した決議草案に賛成票を投じた一方で、米国と英国が反対票を投じ、また他の9つの安保理理事国は棄権しました。
ロシアは提案の中で即時停戦、人道回廊の創設、すべての捕虜の釈放、そしてガザ地区北部の住民をこの地域から退去させるというシオニスト政権イスラエルの命令の取り消しを求めていました。
ロシアと中国も同日夜、パレスチナ抵抗勢力とイスラエルとの戦争に関し米国が安保理で提案した決議案に拒否権を行使しました。
UAEもこの決議案に反対票を投じています。また、10の安保理理事国が賛成票を投じ、他の2つの理事国は棄権しました。
米国が提案した決議草案には、全面的な対イスラエル支持とパレスチナ人への反対が盛り込まれていました。
安保理常任理事国であるロシアのネベンジャ大使は「米国が提案した決議案は、イスラエルの対ガザ攻撃継続に対する安保理のゴーサインに等しい」と述べています。
また、中国国連大使も「米国の草案は、ガザの民間人に対する武力と武器の使用を正当化するものだ」としました。
この決議では、ガザへの人道支援送付を扱っているものの、ガザ市民に対するイスラエルの攻撃と犯罪の阻止については言及されていません。
これに関して、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスのハニヤ政治局長は声明の中で、安保理におけるロシアと中国の立場、および米国の対イスラエル支持決議に対する拒否権行使を、評価に値するとしました。
ハニヤ局長はまた、ガザ住民に対する攻撃と犯罪の即時停止を要求した全ての安保理理事国とそれ以外の国に謝意を表しました。
さらに国際社会に対し、パレスチナ国民、特にガザ住民の人権の尊重および、国際法と人道法そして国連決議の履行をイスラエルに義務付けるよう求めました。