ロシア関係者、「BRICSは米ドル抜きでの穀物取引のプラットフォームに」
ロシアの関係者が、BRICS経済新興国グループの穀物生産量・消費量の統計を示したうえで、同グループ構成国間での米ドルを使用しない穀物取引が可能であるとしました。
ロシアのスプートニク通信によりますと、同国の調査会社・プロゼルノのウラジミール・ペトリチェンコ代表は、「BRICSは、他からの輸入を必要としない米ドルを排除した穀物市場を作り出すプラットフォームとなりうる。BRICSメンバー諸国は、世界の穀物市場で大きな割合を占めており、その地位を活かす最大の機会は今である」と述べました。
続けて、「統計によれば、ロシアは世界の小麦の25%を生産している。また、ブラジルはトウモロコシの25%を生産し、世界で取引される大豆の約58%も生産している。一方で中国は、世界最大のトウモロコシと小麦の輸入国である」と指摘しました。
ロシアは先月にも、BRICSメンバー間での穀物取引から米ドルを排除し、各取引に適した通貨を代わりの選択肢とすることが可能だと表明しています。
RUSGRAIN・ロシア穀物輸出組合の統計によれば、BRICSの2023年末時点の構成メンバー5か国は、年間で合計11億7000万トンの穀物を消費していますが、これは世界の全穀物生産量の42%および全穀物消費量の40%にあたります。
同組合はまた、BRICSが拡大した場合、メンバー諸国の年間穀物生産量合計は世界全体の44%相当となる12億3000万トンに達し、消費量も生産量とほぼ同じになるとしています。
BRICSは当初、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5か国で構成されていましたが、2023年8月、イラン、サウジアラビア、UAEアラブ首長国連邦、エジプト、アルゼンチン、エチオピアを2024年1月より新たなメンバーに加えることを承認しました。
ただしアルゼンチンは、ハビエル・ミレイ新大統領が就任した後、BRICSへの参加を撤回しています。
BRICSへはこの他にも、アルジェリア、バーレーン、クウェート、マグレブ、パレスチナのアラブ地域5か国が最近になって参加の意向を示しています。