トランプ大統領の主張は公式統計とは矛盾;移民収容者の大半は前科歴なし
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複数の報道によりますと、ドナルド・トランプ米国大統領が「最も危険な移民」を国外追放すると主張している一方で、拘留されている移民の大半には前科歴がなく、米政府の統計上の事実とは一致していないということです。
(last modified 2025-07-15T03:45:41+00:00 )
7月 15, 2025 12:43 Asia/Tokyo
  • 米国で拘留されている移民らの顔写真
    米国で拘留されている移民らの顔写真

複数の報道によりますと、ドナルド・トランプ米国大統領が「最も危険な移民」を国外追放すると主張している一方で、拘留されている移民の大半には前科歴がなく、米政府の統計上の事実とは一致していないということです。

【ParsToday国際】イラン学生ISNA通信によりますと、アメリカの報道各社はトランプ米大統領の移民関連発言とアメリカ政府機関発表の公式統計との間の大きな食い違い・乖離を検証しました。

米紙ロサンゼルス・タイムズによれば、トランプ大統領は数々の演説で殺人犯、強姦犯、性犯罪者などの危険な移民を米国から強制送還すると約束していますが、ICE米国移民・関税執行局の公式統計における事実は、この発言と合致していません。

この報道によりますと、トランプ大統領は法を遵守する国民を不法移民の脅威から守るため、アメリカ史上最大規模の強制送還作戦を実行すると主張しています。

しかし、公式データによれば、ICEの被拘留者の大半は犯罪歴がないことが分かっています。公表された統計によりますと、2025年6月29日時点でICEに拘留されている人は約5万7861人のうち、71.7%に当たる4万1000人以上は犯罪歴がありません。

拘束中の人の一部は起訴内容が審理中ですが、具体的な前科歴のない人も相当数存在しています。こうした中で、トランプ大統領は繰り返しこうした人々を安全保障上の重大な脅威として吹聴しようとしています。

この報道によれば、アメリカ政府の言説と統計的な実態の間には大きな隔たりがあります。トランプ政権は第一期目と第二期目の両方において、移民に矛先を向けることは危険かつ犯罪であると一貫して主張してきましたが、統計によると、拘留されている人の大多数には全く犯罪歴がないことが明らかになっています。

ロサンゼルス・タイムズの報道によりますと、2025年度に入って以来、逮捕された20万4000人のうち約65%には犯罪歴がなかったことも判明しました。

また有罪判決を受けた者のうち暴行罪を犯したのはわずか6.9%で、その他は移民法違反、道交法違反、モラルに反する行為など非暴力犯罪が大多数を占めています。

この報道は続けて「スティーブン・ミラー米大統領次席補佐官が去る5月に拘留人数を1日3000人に増やすよう命じて以降、逮捕者数が大幅に増加し、この傾向はその翌月の6月も続いた」としています。しかし興味深いことに、これらの逮捕者のかなりの割合もやはり無犯罪者だったということです。

ロサンゼルス・タイムズ紙はまた、米国立経済研究所が行った調査を論拠とし、「2023年には、過去150年間における移民の収監率はアメリカ生まれの人々よりも一貫して低いことを示した」と報じています。

 


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