IMF:「米国の関税により世界経済に景気後退の影」
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IMF国際通貨基金が最新報告書において、「世界経済の一時的な成長にもかかわらず、米国の関税政策は来年の景気後退リスクを高め、国際経済の見通しに暗雲を投げかけている」と警告しました。
(last modified 2025-10-15T08:32:51+00:00 )
10月 15, 2025 17:31 Asia/Tokyo
  • IMFが警告、「世界経済の展望に暗雲」
    IMFが警告、「世界経済の展望に暗雲」

IMF国際通貨基金が最新報告書において、「世界経済の一時的な成長にもかかわらず、米国の関税政策は来年の景気後退リスクを高め、国際経済の見通しに暗雲を投げかけている」と警告しました。

IMFは、今年の世界経済成長率を3.2%と予測しており、これは去る6月時点の3%から上方修正されたものです。しかし、IMFは「この傾向は持続可能ではなく、2026年には世界経済成長率は3.1%に減速する」と警告しました。

【ParsToday国際】イルナー通信によりますと、IMFは一時的な成長加速の原因として、米国の厳しい追加関税導入に先立ち各企業や家庭が商品値上げ前の先物買いに転じたこと、一時的に世界貿易を押し上げたドル安を挙げました。

IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は「世界経済は最悪の予測よりは良いが、まだ必要な水準には程遠い」とコメントしています。

2026年の世界経済成長に関する警告がなされたのは、米首都ワシントンで開催されるIMFと世界銀行の春季年次会合を目前に控えた中でのことです。また、米中首脳会談は、両国間に貿易摩擦の激化という暗雲が立ち込める中で開催されることになります。ドナルド・トランプ米大統領は、来たる11月より中国からの輸入品に100%の関税を課すと発表しています。

IMFによれば、米国の経済成長率は今年2%に減速し、来年も同水準にとどまると予想されています。さらに、ユーロ圏の成長率は1.2%、中国は4.8%から4.2%に下がると見られています。

IMFは「新たな関税賦課によって貿易が減少し物価が上昇しただけでなく、今年後半の景気後退リスクも高まっている」と警告しています。またIMFによれば、米国のインフレ率は再び上昇し、失業率もわずかながら上昇しており、こうした現象は世界経済へのさらなる逼迫を示唆する兆候となっています。

 

 


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