東欧|英紙「ウクライナへのトマホーク50発送付のみでは不十分」/ロシア「この行動は良い結末にはならない」
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メドベージェフ・ロシア国家安全保障会議副議長
英紙フィナンシャル・タイムズが「米国はウクライナにトマホークミサイル50発を供与する見込みだ」と報じました。
ウクライナにトマホークミサイルが供与されることをEU欧州連合歓迎している一方で、ロシア当局はこの動きがもたらす影響について警告を発しています。
【ParsToday国際】タスニーム通信によりますと、英紙フィナンシャル・タイムズは「米国はウクライナに供与するトマホークミサイルはわずか50発であり、これでは戦況の流れを変えるには不十分だ」と報じました。一方、米国防総省の予算戦略や武器調達を担当した経験もあるマーク・カンシアン氏は「米国は4150発のトマホークミサイルを備蓄しているが、ウクライナに送付できるのはそのうちわずか数発だけだろう」と述べています。
ロシア国家安保会議副議長:「ウクライナへのトマホーク送付はトランプ氏を含む誰にも良い結果にはならない」
ドナルド・トランプ米大統領がウクライナへの長距離トマホークミサイル配備の可能性を示唆したことを受け、ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は、このような行動を「誰にとっても、特にトランプ大統領にとって」危険な結果をもたらす可能性があると警告しました。メドベージェフ氏は13日月曜、「核弾頭搭載のトマホークミサイルと通常弾頭搭載のトマホークミサイルに違いはない」と指摘した上で、SNSのテレグラムにおいて「ロシアはどう反応すべきか?全く同じようにだ」と表明しています。この文言は、核兵器によるロシアの対応を暗に示唆していると思われます。
ベラルーシ大統領:「ウクライナへのトマホーク配備は核戦争の始まり」
一方、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は14日火曜、「米国がトマホークミサイルをウクライナに移送すれば核戦争が勃発する」と警告しました。
ポーランド、ロシアによる「欧州内奥への」攻撃を警告
一方、ポーランドのシコルスキ外相は「欧州はロシアによる欧州内奥部への攻撃に備えるべきだ」と警告しました。また「欧州の軍事力強化を怠り、東部国境の無人機防護壁建設を遅延させるのは無責任だ」とし、ウクライナへの継続的な支援の必要性を強調しています。さらに米国に対し、インフラに対するロシアの攻撃に備えてウクライナに対し長距離トマホークミサイルを提供するよう求めました。
英国:「ウクライナに8万5000機の無人機を供与」
西側諸国による支援の継続として、ジョン・ヒーリー英国国防相は、同国として無人機供与および製造プロセスの加速を目的に、2025年に6億ポンドをウクライナ軍に投資すると述べ、「過去6ヶ月間で8万5000機以上の軍用無人機をウクライナに供与した」と発表しました。また「ウクライナおよび欧州全域におけるロシアの行動は危険なほどエスカレートしている」と主張し、「これらの脅威に対処するには無人機の生産量を増やし、NATO北大西洋条約機構加盟国の防空システムを強化する必要がある」と強調しています。
英紙テレグラフ:「NATOはロシア機撃墜を容易にする方策を協議中」
英紙デイリー・テレグラフは、匿名の情報筋の話として「NATO首脳陣は、加盟国の領空を侵犯したロシア機を標的と見なす意向であり、ロシア機撃墜を容易にする方策を協議中である」と報じました。
ロシア:「代替選択肢がないため、対ウクライナ作戦を続行」
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ロシアの「軍事的強硬姿勢」を批判し、「交渉のテーブルに戻らなければ、ロシアは代償を払うことになるだろう」と警告しました。この発言に対し、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシアは(ウクライナ問題を)平和的に解決する用意がある。現在、ロシアには代替となる選択肢がないため、特別軍事作戦を継続している」と述べています。また、ロシア外交官は「わが国はいかなる手段を用いても自国の利益を守り、目標を達成する」と強調しました。