慈愛の預言者、ムハンマド(1)
偉大なる人物が人類の間に存在してから幾世紀もの時が経過しますが、彼の名前、好ましい性格や宗教的な活動、美徳について語られるたびに、人間の前には新たな扉が開かれます。
この番組では、神の最後の預言者であるムハンマドについてお話しましょう。彼は、神の最も崇高な最後の教えを人類に示し、イスラムは、あらゆる時代の人々のために選ばれた宗教であるとしました。預言者ムハンマドの存在は、人類社会への神の恩恵であり、世界への生命の息吹です。彼が預言者に選ばれたとき、アラビア半島には、無知や腐敗、堕落が広がっていました。人間としての価値観は薄れ、人々は戦争や殺害、強奪の中で暮らしていました。
ムハンマドはメッカで、人々の間で暮らしていましたが、精神的には普通の人々とは大きく異なっていました。彼は決して嘘を言わず、その魂や精神は、神の恩寵によって、あらゆる罪や逸脱からはかけ離れていました。このような輝かしい経歴により、預言者の地位に到達した後も、彼の貴重な指導は人々の心に根付き、彼らを幸福の道や正しい行いへと導いたのです。歴史によれば、預言者の導きの初期から、その生涯を通して、人々の心をイスラムへと惹きつける要因となったのは、預言者の穏やかな性質や美徳でした。人々は彼を心から敬愛しており、ムハンマドは預言者となるずっと以前から、その正直さと責任感ゆえに、「信頼できる誠実な人」を意味する「アミーン」と呼ばれていました。
コーランによれば、預言者の最大の道徳的な特徴は、他人に対する愛情に溢れた接し方にありました。ムハンマドはこのような賞賛に値する性質により、多くの人の心を魅了し、正しい道へと導いていました。そのような驚くべきことを成し遂げる力があるのは、預言者ムハンマドだけでした。至高なる神は、コーラン第3章アールイムラーン章「イムラーン家」、第159節で次のように語っています。
「神の慈悲により、汝は人々と穏やかに優しく接するようになった。もし汝が粗暴で冷酷であったなら、彼らは汝の周りから去っていったであろう」