慈愛の預言者、ムハンマド(5)
(last modified Sat, 08 Oct 2016 07:14:32 GMT )
10月 08, 2016 16:14 Asia/Tokyo
  • 慈愛の預言者、ムハンマド(5)

預言者は、抑圧された人々、虐げられた人々を助けたいという思いから、まだ預言者になる前の若い頃、「勇者たちの契約」という契約に参加しました。

この貴重な契約の締結につながった出来事とは、次のようなものでした。

ある日、やせた中年の男が、カアバ神殿の傍らにある台座にのぼり、こう叫びました。「クライシュ族の人々よ、メッカのような町で、財産を不当に奪われた、よその土地の人間の問題に対処してほしい」

彼はゾバイド族の出身で、商売のため、商品をメッカに持ち込んでいました。アースという人物が、彼の商品を購入したのに、その代金を支払っていませんでした。ムハンマドはその話を聞いて心を痛め、そのゾバイド族の男性の権利を取り返そうとしました。そのため、町の勇敢な人々を集め、それ以上、そのような不当な行動がとられないようにするために、解決策を考えることにしました。こうして、彼らはその後、無力な人や抑圧された人を支持し、彼らを圧制から守ることを誓い合ったのです。

この契約は、勇者たちの契約として知られ、その知らせはメッカの人々の間に行き渡りました。多くの人が、この若者たちの行動を賞賛しました。翌日、彼らはアースのもとに、“よその土地から来た男の商品の代金を支払うように”というメッセージを送りました。アースも恐怖を抱き、男に代金を支払いました。これは、ムハンマドが加わった最初の集団、契約でした。彼はいかなるときも、虐げられた人々の権利を守る、勇者たちの契約を忘れたことはなく、この契約に心から満足していました。預言者ムハンマドは、次のように語っています。

「この契約の代わりに赤毛のラクダを与えられたとしても、これほど喜びはしなかっただろう」