西側の思想家が考える預言者ムハンマド(2)
「預言者よ、我々は世界の人々に慈悲をさずけるためだけに、汝を遣わした」 (コーラン第21章アル・アンビヤー章預言者、第107節)
スイスの中東学者で、キリスト教徒の歴史家であるビュードリーは、「ムハンマドの生涯」という本の中で次のように語っています。
「遊牧民族のアラブ人を服従させたことが、ムハンマドの偉業のひとつだった。これは最大の奇跡に値すると言える。彼はその部族の間に驚くべき連帯をもたらした。ムハンマドの人生について考えれば、彼の英知と行動に驚き、ムハンマドを永遠に生きた存在として見ることだろう」
「世界の人々の間には、ムハンマドに対する悪いイメージが広がっているが、ムハンマドの人生は非常に明らかである。私はムハンマドの生涯と彼を批判する書物を読んだ。この本の作者は、多くのページを、根拠のない言葉で汚していたが、ムハンマドのような人物が、人類の発展のために、どのようにして進歩的な宗教をもたらすことができたのか、どのようにして、短期間で、イスラムという壮大な文明を築き、すぐに数々の民族を惹きつけることができたのか、ということについては触れていない」
イギリス出身のキリスト教徒の思想家、トーマス・カーライルも、一部の狂信的な人々が、イスラムの預言者ムハンマドの神聖を冒涜しているのは、彼らの理論の弱さの結果であるとし、次のように語っています。
「今日の文明社会の人々にとって、ムハンマドが欺瞞的な人間だったという主張に耳を傾けるのは大きな間違いである。このような無意味な言葉に抗うべき時がきている。なぜなら、この預言者がもたらした教えは、幾世紀もの時が経過してもなお、輝き続けているからだ。あなた方は、嘘をつく人間が、このような社会的な宗教をもたらし、それを世界に広めることができると考えるのか? 神に誓って、このような主張には驚きを禁じえない。愚かな人間には家を一軒建てる力さえない。それなのに、イスラムのような宗教を人類社会にもたらすことが、どうしてできるだろうか?」
トーマス・カーライルは続けて、このように語っています。
「世界の人々が、論理や知性に頼らずに、このような軽率な批判を受け入れるのは、大きな間違いである。ムハンマドほどの偉大な人物が、事実に反する言葉を発するなどあり得ない。彼の人生は、彼が若い頃から賢い人間であったことを示している。ムハンマドの人生とすべての行い、その性質は、清らかさと誠実さに基づいている。ムハンマドの言葉を見るがよい。そこに神の啓示と奇跡が見えないだろうか?この人物は、創造世界の源である神から、私たちにメッセージをもたらした。神はこの偉大な人物に、知識と英知を与えたのだ」