西側の思想家が考える預言者ムハンマド(8)
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10月 25, 2016 16:56 Asia/Tokyo
  • 西側の思想家が考える預言者ムハンマド(8)

「我々は、人々に吉報を与えたり、[神の責め苦を]畏れさせたりするためだけに、汝を全ての人々のもとに遣わした。だが多くの人は知らない」 (コーラン第34章サバア章第28節)

ルーマニアの研究者、コンスタンタン・ビルジル ゲオルギウは、ムハンマドはゼロから知られるべき預言者であると考えています。ゲオルギウは、次のように語っています。

「ムハンマドは苦労人で、真の意味で心が優しかった。幼い頃や青春期に入った頃に苦労した偉人たちの中で、預言者ほど人類のために心を痛めた人間はいなかった。コーランも、孤児や恵まれない人のことを気にかけ、助けるようにとし、預言者の信者たちは、互いに優しくしあうよう薦めている」

ゲオルギウは、深い研究の後、イスラムの預言者ムハンマドは、神の使徒、一人の人間として、驚くべき人格を有し、ヨーロッパ人やキリスト教徒、全ての人間が、預言者の生涯、献身、努力を知るべきだという結論に至りました。ゲオルギウは、このような見方により、「ゼロから知るべき預言者、ムハンマド」という本を執筆しました。ゲオルギウは次のように記しています。

「私は、ムハンマドを、宗教を広めただけの人物として考えるヨーロッパ人を受け入れない。ムハンマドの導きの中には、中立的な立場の思想家から見ると、非常に興味深い点がある。ムハンマドの導きは、宗教的なものに限られず、政治、社会、経済、文化を含む壮大なものである。今から1400年も前に、愚かな信条や慣習に浸っていたアラビア半島に、このような運動を広めたことは、驚くべき出来事である。ムハンマドは、この大きな使命を果たした。ムハンマドは、新たな教えをもたらした人物であるとともに、人類社会における大きな運動の先駆者でもある。その方向性において、神の啓示が少しずつムハンマドに下されていった」

このルーマニア人の研究者は、さらに次のように語っています。

「ムハンマドが導いた壮大な運動は、アラブの人たちに刺激を与え、ムハンマドの聖遷から半世紀もたたないうちに、彼らはイランの帝国をはじめとするその時代の帝国をイスラム領土に取り込んで行った。世界において、これほど急速に広まった宗教は他にない。その理由は、ムハンマドが人類の連帯と統一を考えていたことにある。預言者は、コーランの言葉を借り、人類はもともとは1つの統一された民であり、各民族の間に生まれた対立は、不公正や堕落、圧制によるものであると語っている」