西側の思想家が考える預言者ムハンマド(11)
(last modified Sat, 29 Oct 2016 09:49:54 GMT )
10月 29, 2016 18:49 Asia/Tokyo
  • 西側の思想家が考える預言者ムハンマド(11)

預言者ムハンマドは、邪道に外れ遅れていた社会に、華々しい崇高な文明をもたらしました。

このことは、東西の歴史家たちも認める事実です。今夜は、預言者ムハンマドに関する、イギリスのキリスト教徒の作家ジョン・ディベン・ポートの見解をたどってみることにいたしましょう。

このイギリス人作家は、預言者ムハンマドのもっとも重要な特徴として、この偉人の生誕から逝去までの全生涯にわたる生活が透明であったことを指摘しています。彼は、「預言者ムハンマドと聖典コーランのもとでの謝罪」という著作において、次のように述べています。

「世界の全ての名だたる支配者や征服者の中でも、預言者ムハンマドほどその生活ぶりが有効な歴史として描かれた人物は存在しない。サウジアラビアやアラブ民族ですらも、世界の諸国民に注目されたのは預言者ムハンマドの存在の恩恵があってこそだった」

ジョン・ディベン・ポートは、さらに次のように述べています。

「預言者ムハンマドに関する疑惑を生み出そうとする人々は、この偉人が自らの偉大なる目的を断固として追求し、これを徹底して実行することに努めていたことを知っておくべきである。この点により、全ての人々は預言者ムハンマド賞賛をし、尊敬せずにはいられないのである。さらに、今なお預言者ムハンマドが剣によってイスラムを広めたと考えているような人は、大きな誤りを犯している」

歴史的な問題に明るい思想家や有識者は、預言者ムハンマドが民族や部族同士の対立や紛争を終わらせ、人間をいけにえにする代わりに、礼拝や任意の施しである喜捨をさせたこと、そしてイスラムが戦争や紛争ではなく、善意にあふれ博愛主義的な精神やモラル面での美徳を人類の本質に吹き込み、人々に新しいモラル的な原則を紹介したことを、公然と認めています。ジョン・ディベン・ポートはこう記しています。「預言者ムハンマドがメッカからメディナへの聖なる移住を行った後、東ローマ帝国も、ペルシャ帝国も崩壊し、シリアやメソポタミア、エジプトといった地域は征服され、イスラム教徒による征服の範囲は大西洋岸からカスピ海沿岸、さらには中央アジアのシル・ダリヤ川にまで拡大した」

ジョン・ディベン・ポートは、自らの著作の中で、預言者ムハンマドに関して浮上した疑惑の1つ1つに回答し、次のように述べています。「サウジアラビアのような国は、偶像崇拝に浸かりきっていた。預言者ムハンマドは、この地域に恒常的で偉大な改革をもたらした。子供殺しや女子を生き埋めにするという行為を、好ましくない卑劣な行為であるとし、この人道に反する行為を根絶し、酒の摂取、ばくちを禁じた。そして、複数の女性を娶ることについても限定し、条件つきで、しかも彼女らを平等に扱うという条件の下に許可した。さらに、この偉人は、会話において最も標準的なアラビア語を使用しており、この点は彼の成熟性や学識に新たな美しさを添えている。われわれは、このような偉人の使命が、果たして彼自身が主張した偽りの言葉であるなどということがありえるだろうか、と自問する。預言者ムハンマドは決して、現世の富や権力を求めることはなかった。彼は、人々に対し、公正な行動に努め、寛容や人情を愛するよう求めた。彼が世界に出現した最も無謬の人物であることに疑いの余地はない。われわれは、この偉大な人物を唯一無二の最も偉大な人物として認め、その存在が故に、創造世界が誇りとしていることを認識すべきである」