西側の思想家が考える預言者ムハンマド(19)
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11月 08, 2016 17:46 Asia/Tokyo
  • 西側の思想家が考える預言者ムハンマド(19)

19世紀のフランスの小説家、ヴィクトル・ユゴーの傑作、「レ・ミゼラブル」を知らない人はいないでしょう。しかし、このフランスの偉大な小説家が、イスラムの預言者ムハンマドを賞賛し、「ヒジュラ暦9年」という詩を記したことを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

ヴィクトル・ユゴーは、イスラムの歴史や文化に精通していました。ヒジュラ暦9年という詩に見られる繊細さは、ユゴーが、イスラムの預言者の生涯について詳細に研究していたことを示しています。イスラムの預言者ムハンマドの特徴や晩年の伝承を述べる際のユゴーの口調は、彼が預言者の人格とその使命に対して多くの敬意を払っていたことを物語っています。

「ヒジュラ暦9年」は、イスラムの預言者に関して書かれた作品です。ユゴーはこの作品の中で、イスラムの預言者の精神的な姿を示し、西側の無知な作家たちが長年に渡って描いてきた預言者に関する誤ったイメージを払拭し、その正しい姿を提示しています。ユゴーは次のように記しています。

ヌーフのように、洪水のような雨の秘密を知っていた

忍耐強い調停人であり、

人々は、自分たちの対立を預言者のもとに持ち込んでいた

落ち着いた行動、温かい言葉、好ましい行動、好ましい気質、友好は、イスラムの偉大な預言者ムハンマドの明らかな特徴でした。これらの特徴は、預言者のあらゆる行動や姿に表れていました。魅力的な言葉を持ち、光り輝く穏やかな表情は、神から預言者に与えられた恩恵でした。人々と共に質素な生活を送っていたことも、この預言者の特徴のひとつでした。ユゴーは、預言者の性質について次のように語っています。

威厳があり、誰かを非難することはなかった

彼が路地を歩けば、あちこちから挨拶の声が聞こえた

彼も温かく挨拶を返していた

額は広く、ほほは高く、

眉は細くてまなざしは鋭かった

食は細く、空腹に耐えることもあった

羊の乳搾りを自ら行い、

人に使われる立場の人間のように地面に座り

自分で服のほころびを直していた

 

預言者ムハンマドの明らかな特徴のひとつは、神のしるしや節について深く考えていたことでした。彼はしばらくの間、ハラーの洞窟にこもり、創造の神秘について探究していました。ユーゴは、預言者の知識について次のように詠っています。

まるで天国や愛、未来や過去を見たことがあるかのように

いつも静かに耳を傾けていた

最後に口を開く人物だった

常に神に祈りを捧げていた