THAADの韓国配備に対する抗議
改めて、アメリカのミサイル迎撃システムTHAADの配備に反対する抗議運動が行われています。この問題について、IRIBヴァガーリー解説員は次のように述べています。
韓国の抗議者は、THAADへの反対を記した手書きの横断幕を持ち、韓国・ソウルで抗議デモを行いました。彼らは韓国政府に対して、このミサイルを韓国から撤去するよう求めています。

このデモの新たな段階は、韓国のムンジェイン大統領が、THAAD配備の増強を支持したことから始まりました。この状況は、韓国の人々の抗議だけでなく、中国の強い抗議も引き起こし、また、中国外務省はTHAADの韓国配備の継続の結果について警告を発すると共に、アメリカと韓国に対して、このミサイルシステムを撤去するよう求めました。韓国の世論は、THAADの配備の継続に反対しており、第一に、それは、環境破壊や住民の健康被害につながるからであるとし、また、第二に、韓国の憲法によれば、いかなる状況下でも、人々の健康と安全を危機に陥れるべきではないからであるとしています。第三に、このミサイルシステムの配備は、中国との関係を損なうだけでなく、中国の韓国に対する制裁行使により、韓国の経済や観光業に大きな損害が出ているからです。第四に、韓国の人々がTHAAD配備に反対するのは、地域で危機や戦争が発生した際に、韓国が大きな軍事的な攻撃対象になることによります。
韓国の法務関係者は、次のように語っています。
「THAADの配備は、韓国の安全保障に対する深刻な脅威である。中国やロシアの強い反発に直面するだけでなく、東アジアで緊張や軍事的な衝突が勃発する可能性があり、また朝鮮半島の安全確立を支援することもないからだ」
中国政府は、これに関して、アメリカは北朝鮮の行動や安全保障上の問題を地域であおることにより、韓国などにおいて、自国の軍事的立場を強めようとしていると考えています。同時に、THAAD配備は、北朝鮮のミサイル攻撃に対抗するという理由で、韓国に配備されてはいるものの、実質的には中国を対象としており、中国に対する封鎖網を完成させるものとなっているとしています。
香港における中国の核抑止力専門家は、次のように述べています。
「THAADの完全な性能は機密事項となっており、中国の戦略専門家は、完全な情報を持っていない。THAADのレーダーは、アメリカが中国のミサイル計画・実験を追跡できるほど進化している可能性があり、中国に最大の懸念をもたらしている」
いずれにせよ、THAADに対する韓国世論の抗議は、ムン大統領が最近行われた選挙の中で、北朝鮮との協力と、中国との問題解決を公約したという中で再燃しています。ムン大統領の立場の変更は、韓国社会における自身の地位を揺るがす可能性があります。