トランプ大統領の演説に対するイラン外相の批判
(last modified Wed, 20 Sep 2017 07:53:29 GMT )
9月 20, 2017 16:53 Asia/Tokyo
  • トランプ大統領の演説に対するイラン外相の批判

イランのザリーフ外務大臣が、国連総会でのアメリカのトランプ大統領による外交的でない発言を受け、「トランプ大統領の発言は、内容のない愚かなスローガンであり、対応する価値はない」と語りました。

トランプ大統領は、国連総会で演説した際、今回も核合意のほかの国とは異なる立場を取り、核合意は最悪の合意であり、アメリカにとっての恥だとしました。また、地域のテロとの戦いの中心にいるイランを、テロを支援しているとして非難しました。

 

トランプ大統領のイランに対する愚かな発言は、2つの点を物語っています。まず、この発言は、アメリカ大統領が非論理的であることを示しています。とはいえそれは、予想外の行動ではありません。アメリカはこれまでにも、数々の問題の中で、国際社会の要求や決定を守らないことを示してきました。アメリカは、自分たちの利益にならないと感じるたびに、国際社会の意志に反対してきたのです。トランプ政権発足後のアメリカの核合意に対する非論理的な態度も、このようなアメリカの特徴を示しています。

そして二つ目の点は、アメリカの現実逃避です。

アメリカ政府は、彼らが国際問題を解決したことはないという事実を受け入れようとしていません。アメリカは実際、さまざまな危機、戦争、問題の元凶になっています。ザリーフ外相が語ったように、アメリカがシオニスト政権イスラエルや地域の独裁政権を支持していること、テロ組織を作り出し、強化していることは、アメリカ政府にとって、世界における信用を失い、孤立する以外の結果をもたらすことはないでしょう。

核合意もその例外ではありません。アメリカは、行動によって、核合意を遵守するつもりはないことを示しており、自分たちの約束不履行の言い訳のために、愚かな発言や根拠のない主張を行っています。国連総会でのトランプ大統領の演説も、その一例です。トランプ大統領は、核合意を最悪の合意と呼んでいますが、オバマ前大統領は、核合意に署名することで、ひとつの問題を論理的に解決することができなくなっていたアメリカを、行き詰まりから救いました。

こうした中、トランプ大統領は、核合意からの離脱が、アメリカの国際社会における立場を弱めることになる、という事実を理解できていません。

イランのローハーニー大統領は、ニューヨークで、アメリカの外交政策の関係者と会談し、「国際的な合意が、一個人の好みによって踏みにじられれば、それは世界を混乱と軍事力にいざなうことを意味する」と語りました。

ローハーニー大統領は、イランは取り決めを完全に遵守しており、IAEAの8度の報告でそのことが認められているとし、「アメリカが核合意を離脱しても、イランはあらゆる状況に備えており、これに関して懸念は存在しない」と語りました。